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ロマンシングサガ3 カタリナ編 序章3

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 カタリナの言葉を聴いた悪鬼の目の色が変わった。その形も見開かれ、口元は憎悪に歪んで瘴気を吐き出す。

「いい度胸だ、女よ。悶え死ぬが良い」

 言葉と同時に悪鬼は飛び立ち、たちまちのうちに数メートルもの距離を飛び上がった。そしてそのまま上空から急降下し、一直線にカタリナ目掛けて右の腕を振り下ろす。その先に光る凶悪な爪が一分の狂いも無く、カタリナの首筋に吸い寄せられるように近づいてきた。
 対するカタリナは、腰から抜き放った小振りの小剣のみ。この一撃で勝負が決することを、悪鬼は確信していた。
 だがその直後、悪鬼は一瞬だけ、赤い閃光が目の前を走った気がした。そして次の瞬間には激しい金属音と共に、本来ならば必殺のはずのその爪は弾かれてしまっていた。

「・・・なんだと?」

 一瞬にして何が起こったのかわからなかったのか、悪鬼は数歩後退して再びカタリナをにらみ返した。
 しかしカタリナは先ほどまで立っていた場所からほとんど動いていない。その手に持っているのは、先ほどと同じ小剣だ。あのような女の二の腕とか細い小剣では、この悪鬼の渾身の一撃を防ぐことなど不可能なはずであった。

「・・・貴様・・・なにを・・・。・・・!?」

 そこまで言ったところで、悪鬼は自らの右腕、カタリナ目掛けて振り下ろした己の手の異変に気がついた。岩をも砕く悪鬼の爪に、あろう事か、一筋の皹が入っていたのだ。

「我らがロアーヌの栄光ある玉座を一時でも汚したその行為、万死に値するわ。このカタリナの手にかかって消えなさい」

 そういってカタリナが小剣を再び構える。その様に悪鬼は逆上した。

「調子に乗るなよ人間がっ!!」

 しかし先に動いたのはカタリナだった。目にも止まらぬほどのスピードでドレスをはためかせながら悪鬼の懐まで詰め寄ったカタリナは、そのスピードに乗ったままの小剣を思うがままに突き出す。

「ギッ!!?」

 すかさず振り払いに掛かる悪鬼。一撃目こそ脇を若干深く抉られたが、その後は二、三箇所切りつけられたものの、その傷は致命傷には程遠く、カタリナを後退させることに成功した。

「・・・人間と思い油断したか・・・」

 目を細めてカタリナを正面から睨みつけた悪鬼は、構えを低くとり、息を荒げながら足腰に力を入れた。
 一方のカタリナは振り払われる際にかすり傷を負った程度で、再び悪鬼に対峙していた。

「・・・本気になるのかしら?そうね、いくら魔物とはいえ、お前如きに油断されたまま勝っても空しいわ。全力で来なさいな・・・そして、消えなさい」

 挑発めいた台詞と共にかすかに笑ったカタリナは、悪鬼と同じく姿勢を低くとり、何を思ったか小剣の柄を両手で後方に構え、眼光鋭く悪鬼を待ち構えた。

「ガァァァァァァァアアアアッ!!」

 ドン、という衝撃音を伴いながら悪鬼はカタリナに向かって突進した。それは何の芸も無い純粋な突進だったが、その巨体とスピードから繰り出されるであろう打撃は、人間であれば即死するには十分すぎるほどのものだ。

 だが、カタリナは動こうとせずにその場で待ち構えた。見る見るうちに視界は悪鬼の凶悪な体で埋まっていく。そして、その巨体がカタリナを捉えようとした刹那、全身全霊の力を両手にこめたカタリナは、小さくつぶやいた。

「起きなさい・・・マスカレイド」

 そして、両者の間に再び、赤い閃光がほとばしった。