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世の中、何があるのか分からない

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翌朝目が覚めると、しわくちゃのタキシード姿のまま、小さめのベッドで自分たちは、折り重なるように眠っていた。

「イタタタ……」と頭を抱えてドラコは唸った。
怒涛のような昨夜の記憶が雪崩式に押し寄せてきて、こめかみがズキズキと脈打つ。

いろん意味で本当に『イタイ』!
イタすぎるっ!
頭痛がする!

もうさっさと、昨晩のハリーとの出来事はなかったことにして、この場から立ち去ろうとしたら、捻挫した足が痛み、またパタリとベッドに突っ伏した。
うううっと呻く。

すると隣で眠っていたハリーが、寝ぼけた声で「いたくない、いたくない」とドラコの頭を撫でた。
癒す言葉が自分の上で繰り替えされる。

どうして、ハリーに撫でられると安心するのだろう?
分からなかった。
結論なんて出なかったけれど、ドラコは目をつぶることにした。

ハリーが起きないことには、自分は全く動くことすら出来なかったからだ。
でも、目が覚めて、現実に戻った相手と、顔を突き合わすのもイヤだった。

――だから、ドラコは布団に深く潜って、擦り寄ってこようとするハリーのからだを、傷ついていない足で蹴りを入れつつ、二度寝を決めこむことにした。


難しいことは、それから、考えることにして、今はただ眠ろう。
そうしよう!




──それは、このことがきっかけで、付き合うことになったふたりの、記念すべき最初の朝の出来事だった。


――Happy Merry Xmas――

    ■END■