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みっふー♪
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novelistID. 21864
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coming summer

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「……」
――はー、ぱっつんを見送って私はシートの上にため息をついた。せっかく誘てくれたのに悪いことしちゃったかな、アロハとハーフパンツの下にいちお水着は着てるけど、結局まだ一度も水に浸かってない。と、そのとき傘の真後ろから声がした。
「ヘイそこのカワイイおじょーちゃん、俺のソフトクリーム食べなーい?」
「……。」
――ったくドコの下ネタオヤジだようっとーしぃなぁもぉぉ、思きしガンクレて振り向いたら、ハデハデ海パンにうみんちゅTシャツの見慣れた天パが立っていた。
「――ホラよ、」
銀ちゃんが手にしたソフトクリームを差し出した。
「こっちがいちごミルクでこっちがダブルいちごミルクな、」
「……チョコがいーのに」
私はぼそりと呟いた。すかさず銀ちゃんが手を引っ込めにかかった。
「いらねーなら無理して食わなくたっていーんだぜ、」
「いいいイヤっいるます、いりますっ、」
私は慌ててダブルの方をもらった。焦っていてもしっかり大を取る、我ながら研ぎ澄まされた野生の本能に惚れ惚れする。
――あーぐっ! ひとくちかぶりつくとたちまちハートがほんわかトリップ、甘いモンてなんでこんなにカンタンにヒトをシアワセにするんだろう。
「……おまえハラでも痛ぇのか」
ソフト片手に隣に腰を下ろした銀ちゃんが言った。
「へっ?」
私はがっついていた顔を上げた。ほっぺに着いたクリームがでろっとしてかゆい。しれっとした顔のまま銀ちゃんは続けた。
「さっき昼メシんときも、ベントーひとり分しか食ってなかったろ、」
「……。」
コーンの紙をぎゅっと握って私は黙った。――いーじゃん別にフツーのことじゃん、アネゴとぱっつんが用意してくれたヤツ、もともと私の特大サイズだし、
「銀ちゃんみたくプレマカシーのない人間にはわかんないね」
「ぷれまか……何?」
銀ちゃんが眉を顰めた。……これだからオトナはイヤになる、ナーンもわかってないくせにわかったよーなカオしちゃってさ、いつか自分も通った道だからって、それはアンタの通った道で私の通る道とは似ているようで全然違う、とか、ついムキになって言い返したくもなる。
「あー、もしかしてデリカシーじゃねぇのオマエ、」
――“ぷれまかしー”ってたしかナンかの歌詞じゃん、ソフト舐めつつ思い出したように銀ちゃんが言った。
「……」
――ぅぇ、そーじゃんガチで間違えたァァァ!!! あの曲最近ぐるぐるヘビロテだったからァァ!!! しかも“プレ”ですらねーじゃん“テレ”じゃんそこォォ!! うわぁぁのやるせない気持ちをミルク色の顔面そーはくにひた隠したところでゴマカシーにも何にもなってないけど、とりあえず残りのソフトクリームひと口で放り込んで、ついでに銀ちゃんの食いかけのヤツも横からあむっと奪取する。
「あっオマエっ!」
――油断してるほーが悪いんだよーん、ぼーぜんとアホ面晒す銀ちゃんを見て、バカみたいにゲラゲラ笑ったらちょっと気が晴れた。ので、せっかく新調した水着だし、ちょっくらひと泳ぎして、今頃島から勇ましく水飛沫上げてターンしているぱっつんを迎えに行って来よう。


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作品名:coming summer 作家名:みっふー♪