ラブ
「シズちゃんが思い描く素晴らしい未来のその向こう側にいる、例えばその一人の子供、幼児といってもいい、その子を、俺が産んでしまったとしようか。ああ、あり得ない話であることは勿論、当然、理論として筋が通るあたりまえの位置で、理解しているよ。かといってそれが、それがさ、もし本当に、何らかの方法で――あまり確定的すぎない言葉は使いたくないのだけれど、何らかの、方法で、成立してしまったとするじゃない? ……それってさあ、気が狂いそうなぐらい、恐ろしくて、そしてやっぱり素晴らしいことだと思ってしまえるんだよねぇ」