梅雨の晴れ間に
雨ばかりの毎日だったのに、休日の朝起きると、とてもいい天気だったので、洗濯をすることにした。
床に散らばっている洋服を、かき集める。
ついでに隣で眠っている相手の洋服も、いっしょに洗うことにした。
きっと、「君にしたら、よく気がつくじゃないか」と、褒めてくれるかもしれない。
30分後、窓に洗ったばかりの洋服を干していると、やっと相手は起きてきた。
「おはよう。よく寝ていたみたいだね」
休日の前の日はいつも、ナイショで僕の部屋に泊まりに来ることが、近頃ふたりには、当然の習慣になっていた。
「……んー…」
伸びをすると、少し眠そうに、目をこすっている。
「今日はいい天気だから、君の服もいっしょに洗っておいたよ。乾くまで、そこにある僕の服を何でも着ていいからね」
僕のほうを寝ぼけたように見ていたが、滴をたらしている自分の制服を見た途端、ドラコはガバッと、勢いよくベッドから飛び起きた。
「君は、バカかっ!」
突然の「バカ」呼ばわりに、目を見開く。
相手の剣幕に、僕はびっくりして、動きが固まった。
「―――えっ?いったい何?僕はただ天気がよかったから、君の分もいっしょに、洗濯しただけなんだけど……」
「なんて、余計なことをするんだ!僕の制服は、そこらへんの安物とは訳が違うんだからな」
そう言いながら、布団からドラコは抜け出してくる。
自分が今、素っ裸であることを別に気にする様子もなく、僕のほうにつかつかと近寄ってきた。
見ているこっちのほうが、目のやり場に困ってしまって、余計にドキマギしているっていうのに、ドラコは一切隠そうとはせずに、堂々とした態度だ。
子供のころから着替えを召使に手伝ってもらい、ホグワーツでも同室のクラップやゴイルに最近まで、身の回りの世話をさせていたらしいので、ドラコは裸でいることが別に恥ずかしいことでも、隠すことでもないらしい。
僕の隣に来ると、自分のビシャビシャの制服を手に取り、「ハァー……」と深いため息をついた。
「ちゃんと手洗いしたよ」
「いや、そういう問題じゃない。僕の制服は特注のサマーウールで出来ているんだ。だから……」
「だから、どうしたの?」
「それ専用のウール洗剤で洗うようにと、屋敷しもべに指示しているほど、デリケートな生地んだ。その生地を、水や石鹸なんかで洗ったら……」
ドラコは僕のほうを、するどくにらんで、「このお節介っ!!」とそう叫んで、がっくりと肩を落とす。
そうして、怒った顔のまま、手近にあった僕の服を羽織ると、濡れた制服を手に取って、プリプリとした態度で、部屋から出ていってしまったのだった。
床に散らばっている洋服を、かき集める。
ついでに隣で眠っている相手の洋服も、いっしょに洗うことにした。
きっと、「君にしたら、よく気がつくじゃないか」と、褒めてくれるかもしれない。
30分後、窓に洗ったばかりの洋服を干していると、やっと相手は起きてきた。
「おはよう。よく寝ていたみたいだね」
休日の前の日はいつも、ナイショで僕の部屋に泊まりに来ることが、近頃ふたりには、当然の習慣になっていた。
「……んー…」
伸びをすると、少し眠そうに、目をこすっている。
「今日はいい天気だから、君の服もいっしょに洗っておいたよ。乾くまで、そこにある僕の服を何でも着ていいからね」
僕のほうを寝ぼけたように見ていたが、滴をたらしている自分の制服を見た途端、ドラコはガバッと、勢いよくベッドから飛び起きた。
「君は、バカかっ!」
突然の「バカ」呼ばわりに、目を見開く。
相手の剣幕に、僕はびっくりして、動きが固まった。
「―――えっ?いったい何?僕はただ天気がよかったから、君の分もいっしょに、洗濯しただけなんだけど……」
「なんて、余計なことをするんだ!僕の制服は、そこらへんの安物とは訳が違うんだからな」
そう言いながら、布団からドラコは抜け出してくる。
自分が今、素っ裸であることを別に気にする様子もなく、僕のほうにつかつかと近寄ってきた。
見ているこっちのほうが、目のやり場に困ってしまって、余計にドキマギしているっていうのに、ドラコは一切隠そうとはせずに、堂々とした態度だ。
子供のころから着替えを召使に手伝ってもらい、ホグワーツでも同室のクラップやゴイルに最近まで、身の回りの世話をさせていたらしいので、ドラコは裸でいることが別に恥ずかしいことでも、隠すことでもないらしい。
僕の隣に来ると、自分のビシャビシャの制服を手に取り、「ハァー……」と深いため息をついた。
「ちゃんと手洗いしたよ」
「いや、そういう問題じゃない。僕の制服は特注のサマーウールで出来ているんだ。だから……」
「だから、どうしたの?」
「それ専用のウール洗剤で洗うようにと、屋敷しもべに指示しているほど、デリケートな生地んだ。その生地を、水や石鹸なんかで洗ったら……」
ドラコは僕のほうを、するどくにらんで、「このお節介っ!!」とそう叫んで、がっくりと肩を落とす。
そうして、怒った顔のまま、手近にあった僕の服を羽織ると、濡れた制服を手に取って、プリプリとした態度で、部屋から出ていってしまったのだった。