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ラボ@ゆっくりのんびり
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西ロマSSSシリーズ

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西ロマSSS03


 例えば、
 素直に愛してくれと言ったら彼は愛してくれるのかなんて考えるときもそりゃあるけれど、子どものころからロマーノだけを見てきた俺にはそれが“有り得ない”ことなんて誰より一番分かっていた。
 例えば、
 俺以外を見ないでくれと頼んだところで、天邪鬼な彼はそれに逆らおうと俺からきっと離れていくだろうなんてことも言わずとて分かることだった。
 例えば、
 ずっと一緒にいようと提案したならばロマーノは躍起になって俺から独立するだろうと分かっていたから、決して俺はそんなことを口にしないで心の中だけで“朝起きたらロマーノが居て夜眠るときにはロマーノが居る生活”がずっと続きますようにと祈り続けてきていた。
 長い時間を共有してきたお陰でロマーノのことは全て分かってきていたつもりだった。
 だけどどうしてだろう。
 明日、ロマーノが家から出て行くことが決まった。
 俺は決してただの一度とて“俺から離れないでくれ”なんて口にしたことなんてなかった。口にしたらその瞬間に彼が遠くへ行ってしまうような気がしていたし、それが決して妄想などで終わらないことにだって気付いていたからだ。
 だけどどうしてなのだろう。

 例えば、
 俺が最初から「出ていかんで、ずっと一緒に居ってくれ」と素直に頼んだのならば明日という日は永遠に来なかったのではないだろうかなんて、決して戻れない過去に思いを馳せてしまう。