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コスモス先生のお悩み相談室

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コスモスの言葉に、クラウドは大きな溜息を吐く。
「頑張ってください、クラウド。応援していますよ」
にこりと笑った彼女に、彼は力無く笑った。最も今の彼に力など出る訳が無い。
「…あぁ。何とかティナと仲直りするさ」


「最近のクラウドの落ち込みっぷりは本当に酷いな」
「…確かに、見れたものじゃ無いよね」
空は快晴、日差しも風も心地ち良い。湖の岸に座って、そんな事をぼんやりと話している男が二人。フリオニールとセシルだ。
「何でクラウドはあんなに落ち込んでいるんだ?」
「あぁ、何かティナに避けられてるとか何とからしくてねぇ」
「…ティナ、ね」
セシルの言葉に、フリオニールは何だか少し、じわりと頬を赤らめる。
「実際、あの二人はどうなんだよ?」
「どうなんだって、僕がそんな事を知る訳無いだろう。旅のパーティ分けも別々だったんだし。ていうか、それは君も一緒じゃないか」
「あぁ、…そうだったな」
セシルとフリオニール、そしてティーダが同じパーティとして旅をしていた。他にはウォーリア・オブ・ライトが一人旅。バッツ、スコールとジタンが合流し、そしてティナはオニオンナイトと共に旅をしていた。問題のクラウドは、始めはセシルやフリオニール達と共に居たのだが、途中からはそれを抜けてティナやオニオンナイトと合流したのだ。その時のクラウド達の事は、彼等が知る手立ては本人達に話を聞く以外に無い。
「でもさぁ、全員が合流したとき、何だかクラウドってティナと良い雰囲気だったよねえ」
セシルはけらけらと笑いながらそう言う。だが一方のフリオニールの表情は暗い。
「やっぱりそうだよなあ。俺もあの時はそう思った位だったし」
「…何だよ?クラウドとティナが上手くいくのが嫌なのかい?」
「いや、そうじゃないけど。ティナは唯一の女子成分だぞ?心のオアシスが無くなってしまうのかと思うと…」
とそう言いながら、フリオニールはさめざめと泣く真似をする。
「まぁ、そりゃ確かにそうかも知れないけどさぁ。でもティナが幸せなら僕は応援するけどねぇ」
「…セシル、お前って大人だな」
「大人って言うか、現実ってそんなもんでしょ」
「お前はそう言うけど、俺にはそんな考え方は出来ないよ」
にこにこと笑ったままのセシルに、フリオニールはガクリと肩を落す。たったの二歳しか違わないのに、この余裕の差は一体何だと言うのだろうか。
 彼等がそんな事を話していると、
「待ってくれ、ティナ!!」
「お願いだからこっちに来ないでっ!!」
と、後ろから人の叫ぶ声が聞こえてくる。セシルとフリオニールが慌てて振り向くと、そこにはティナとクラウドが走ってくる姿。どうもティナがクラウドに追いかけられているのだろうか。いや、どう見てもそういう風にしか見えない。
「お願い、二人共っ!助けてっ!」
ティナが彼等の姿を確認すると、慌てて彼女は彼等の後ろに隠れてしまった。そしてその直ぐ後に、二人の前にはぜーぜーと息を切らすクラウドの姿。
「頼むから二人共、そこを退いてくれないか」
普段は表情一つ変えないクラウドが、今日はとても恐ろしく見える。何せいつもは殆ど動じないセシルでさえ、今の彼を恐ろしいと思った程だ。最も、別の意味で恐ろしい訳だが。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、二人共。状況が良く分からないんだけど」
何だかクラウドの目を見ていると、後ろに居るティナをどうしても庇わなければならない気がして、セシルが両手を広げたままクラウドと対峙する。隣のフリオニールは、その逆で突然の状況にあたふたとしている。
「そ、そうだぞ、クラウド。何だかこれじゃ、危ない人みたいだぞっ!」
確かに、今のクラウドは誰の目から見ても危ない。何だかとってもそっちの匂いがする。
「ティナが、逃げるからだ…っ!」
「え?」
「俺に対して怒っているならそれでも構わない。だが、その理由位聞かせてくれても良いだろう?そうでなければ、彼女に謝りようがないっ」
どうも彼のそれは、最近猛烈にティナに避けられている事を言っているらしかった。彼女が怒っているのならば、その理由を聞きたかっただけなのに、ティナは彼を見るなり一目散に逃げ出してしまった。最も、今のクラウドを見れば、彼女が逃げ出すのも仕方がない事だろう。
「ええ、と、ティナ。…君は何かクラウドに対して怒っているのかい?」
一体彼に何をされたんだ、とセシルがティナに尋ねれば、彼女はぶんぶんと首を横に振った。
「ち、違うのっ!コスモスから、クラウドには近寄っちゃ駄目だって言われたからっ、だからっ!」
「「…え?」」
彼女の言葉の意味が、その場に居る全員が理解出来なかった。一体彼女は、コスモスに何を吹き込まれたと言うのか。
「コスモスに、最近クラウドを見るとドキドキするって言ったら、近寄っちゃ駄目だって」
「…何で?」
「私とクラウドは元々違う世界の人間だから、近寄ったたら何だか良く分からないけど、良くない力が作用してるのかもって言ってたけど…」
私もその辺は詳しく分からないわ、と言う彼女に、セシルは顔を覆い、フリオニールは肩を落とした。そして肝心のクラウドは、その場に突っ伏してしまった。
(そりゃ、コスモスには経験ないだろうしなあ…)
セシルは心中でそう呟くと、ごほんと咳をする。そして力無く彼女に向かって笑いかけた。
「違うよ、ティナ。それは多分『恋』だよ。ティナはクラウドの事が好きなんだ」
「…私が、クラウドの事を、好き?」
「そう。君はクラウドを特別に思ってるって事だ。別にコスモスの言う様な悪い事じゃないから、心配しなくて良い」
ほら、クラウドの所に行きな、とセシルが彼女の背中を押すと、とんとんとティナはクラウドの前まで歩いてきた。
「…あの、私」
「俺も、あんたの事好きだから。…だから頼むから、俺を避けないでくれ…」
見上げてくるティナにクラウドが顔を赤らめると、そう言って溜息を吐く。ティナはにこりと笑って、彼の言葉に頷いた。


「しかし、俺がコスモスの所に相談に言った時は、ティナが言っていた様な事は言われなかったが」
「それは多分、あの人がティナに言った事を忘れてたんじゃないの?あの人、猛烈に忘れっぽいしさ」
「…なん、だと?」