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ゴルベーザ
ゴルベーザ
novelistID. 23798
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Distorted Love

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そして、一日の疲れが一気に押し寄せて睡魔が襲ってきた頃、静かにドアの開く音がした。

「……すみません。起こしちゃいましたか?」

「まだ起きてたのか。…どうかしたのか?」

「いやっ……あの……今日は何だか人肌寂しいといいますか、…その……一緒に寝て欲しくて……。」

「………………え…??」

「………ごめんなさい!!!やっぱり意味不明ですよね!!やっぱり僕戻りま「いや…その、嬉しいんだ。帝人が俺を必要と思ってくれるだけで俺は嬉しいから…。」

帝人の悲しみに付け込むように告白したこんな最低な俺を必要としてくれるだけで………本当に、…本当にそれだけで馬鹿みたいに嬉しいんだ。


帝人はベッドの中に恐る恐る入ってきた。
ちらっと見ると、とろんとした顔をしている帝人と目が合った。

「……僕、未練ありすぎですよね。早く忘れなきゃいけないのに。」

独り言のように呟く帝人。
本当にあいつのことを忘れようと努力しているのだろう…。それでもなかなか忘れられない自分に無力さを感じていたのかもしれない。

「……いいんじゃねえか、そんな急がなくても。俺はお前があいつをどんだけ好きだったか知ってるし…。」

「静雄さん……。」

「……俺こそお前に何がしてやれるんだろうな。忘れさせてやるって言って何も出来てねぇ。」

……帝人の悲しみに付け込むように告白した俺を蔑んでくれてかまわないのに。

「………静雄さんは静雄さんのままでいて下さい。いつかきっとありのままの僕で静雄さんを見ることの出来る日が来ると思うから……。」

帝人は俺を包み込むような軟らかな笑みを浮かべる。壊れそうなほど繊細に。

……俺達の関係は以前と何ら変わっちゃいない。だけど、帝人は帝人なりに少しずつ変わろうとしているのかもしれない。俺はただ悩んでいただけで、全て帝人任せにしていたんだ……。

こいつは無力なんかじゃない…。

「お前は強ぇ奴だ。俺じゃ到底かなわねぇよ。」

「…………え??」

「……気にすんな。もう寝ろ。」

「…はい。おやすみなさい。」

「おう。また明日な。」

その日、俺達はどちらからともなく、温もりを求めるように抱き合って眠った。




作品名:Distorted Love 作家名:ゴルベーザ