Distorted Love
Distorted Love 4 ―静雄Side―
仕事中来良の制服の奴を見かけると、思い浮かぶのはやっぱり帝人で…。
俺と帝人が恋人になってから一緒に暮らすことにした。
つなぎとめておかないと逃げてしまう気がしたから。
優しい帝人に断れるはずがないと分かっていながら告白した最低な俺を帝人はどう思っているのだろうか。
俺達の以前と全く変わらない関係がその答えを物語っているのかもしれない。
頭の悪い俺は帝人の傍にいてやることしか能がない。
他に何がしてやれるんだろう。
そんなことをずっと考えている間に二週間過ぎようとしていた。
「ただいま。帝人いるか?」
「お帰りなさい。お仕事お疲れ様です。」
何事もないような笑顔で俺を迎える。本当はつらいのに表には絶対に出さない。
「おう。今日は学校大丈夫だったか?」
「はい。今日は調子が良かったんです。………ご飯先に食べますよね?」
「……お前は家事なんかしなくていいって言っただろ。全部俺がやるのに。」
「駄目です。住まわせて貰ってる身で家主に家事をさせる訳にはいきません!ちょっと温めてきますね。」
ばたばたと台所に行く帝人。相変わらず義理堅い奴だ……。
帝人は臨也との事で心に深い傷を負っている。そのため時々体調を崩し、学校に行けない日もある。……それほど帝人は苦しんでるんだ。
俺がその傷を埋めてやらなきゃいけないんだ。
飯も食べ終わり、風呂を済ませると時計は夜中の2時を指していた。
……早く帰るようにはしているが、やはり一般職と比べると遅くなってしまうのが現状だ。
申し訳ない思いでもう寝ているであろう帝人の部屋の前を通り、自分の部屋へと向かう。
明日は休みだからずっと帝人といよう、そんな決意をしながらベッドに入った。
作品名:Distorted Love 作家名:ゴルベーザ