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チェン@イザシズ
チェン@イザシズ
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病×2

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●初病 ハツヤマイ(静雄目線)




朝から頭がぼんやりしていたのは自覚していた。部屋が暑いせいじゃないかと考えて
いたのだが、正直部屋は適温だった。今日は仕事がある。朝からトムさんと待ち合わせだ。なのにこんな状況で行ったら逆に迷惑をかけるだろうか。考えるのもだるい。
かなり自分の脳は躊躇ったが一応、と思い熱を計った。ピピピ、、、と高い音が鳴る。

[38.5]

表示されたアナログの文字を数秒見つめ、やっと自分が熱に浮かされていることが
分かった。静雄、お前急にどうしたんだ。自分につっこんで、トムさんに休みのメールを
送った。トムさんに移って迷惑をかけるのも困る。仕方なく、鉛の様にどんよりと
重い自分の体を、自分で支える様にして布団に入った。適温だと心の中で断言した
自分が、今は布団の中で寒い寒いと呻っている。とりあえずこのまま寝て、明日仕事に
行ける様にしよう。絶対明日は行くと心の中で誓い、やっとうとうとしてきたところ…だった。
 
ガチャ。

…誰だ。
そう思い、重たい頭を横に向ける。……?一瞬何が起きたか分らなかった。黒い服。
黒い服、黒い服。あいつしかいないだろ、あいつしか、俺の大嫌いな、大嫌いな、
殺したい相手。
 
「やぁ、シズちゃん!!!」
高い声。いや、嫌いだけど透き通った声。
「……何しに来た。」
 
睨みつけるくらいしかできないが、それでも臨也は少し驚いていた様だ。
 
「いやぁ、シズちゃん風邪ひいたなんてね。嘘でしょ?君に効くウイルスがこの世に
 存在しただなんて世紀の大発見だ。」
 
最高にムカつく声で、臨也は何時もの様に俺に憎たらしく笑っていた。
 
「手前、起きたら殺すぞ。」

「えー?今は殺せない訳?」
 
完全に馬鹿にした口調で臨也は口端を吊り上げ、にたぁと笑っていた。
こいつ何しに来たんだ。と思うのも束の間、臨也が来るのは殺せるとでも思ったんだろう。
「で、何だ。」
 
「いやぁ、ただ、風邪で寝込んで俺に抵抗できないシズちゃんを、見てみたかっただ  け。」
 
「酷い趣味だな。」
 
もうこいつの事は考えない様にした。余計頭が痛くなる。
 
………と、待てよ。
 
さっき考えていた事とは裏腹に俺は思考のベクトルをぐるりと回転させた。
 
「それだけか?」
 
「え、他に何かあると思った?俺がアダムサイトでも持ってきて、シズちゃんを
 窒息死させるとでも?そんなずるっこい事、俺はしないよ。餓鬼じゃないんだから」
 
「…正直。」
 
臨也が少し傷ついた様な顔をしているのを見て、先の言葉を躊躇った。
 
「何なの?」
 
「殺しに来たのかと思った。」
 
臨也は軽く驚いた様に目を見開いた。目を細め、眠たそうにしている俺に、何を思ったのかのそのそと近づき、ベッドの端に腰かけた。ギシ、とベッドのスプリングが呻る。
 
「そうだね、まぁシズちゃんならそう思うと思ってた。」
 
「予想通りなのか。」
 
すると、白い手を伸ばし、俺の頭をゆっくりと撫でた。
 
「ううん、予想通りじゃない。今のとこは予想通りだったけど。でも、いくら風邪を
 ひいてても俺を殺しにかかると思ってた。」
 
やっぱりシズちゃんは俺の通りに動いてくれないや、臨也はその言葉を最後に付け足した。
 
「そうか。」
 
もうそろそろ寝たいんだが、臨也は一向に帰ろうとしない。
 
「眠い?」
 
「あぁ。」
 
それを悟ったのか、喋りかけた臨也に俺は「あぁ」以外の言葉が出ない。もう頭も
喋らせるのを辞め、うつらうつらしているのだ。
 
「いいよ、寝て。おやすみシズちゃん。」
 
さっきとは別人の様な、やさしい言葉づかいで、臨也はもう一度俺の頭を撫でた。
 
「あぁ、おやすみ。」
 
最後にそれだけ言い、目を閉じた。
 



作品名:病×2 作家名:チェン@イザシズ