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学園戦争サンドイッチ

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 顔に青筋を立てて怒り狂いながら手当たり次第に近くに存在する普通の物体を、凶器に変え飛行物体に変えて戦っている金髪の生徒が一人。
 飄々と笑顔を崩さずに飛んでくる凶器とをひょいひょいと軽やかによけながら、相手を嘲弄し本物の凶器であるナイフを幾つも投げ飛ばし戦う黒髪の生徒が一人。

 金髪の生徒が、陥没した地面にバランスを崩した瞬間。帝人は、深呼吸を一つつくと、おもむろに手に持っていたボールペンを手にし。その隙を見逃すわけもない黒髪の生徒が、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべて金髪の生徒の急所に向ってナイフを投げつけたのを見てとり、帝人はボールペンをぶつけて軌道を逸らしてやった。

 二人が一斉に、帝人に気づいて視線を向けてきた。

 タイミングとしてはちょうど良い。
 これで喉が枯れるほど叫ばなくてすんだと、帝人は笑って見せる。

「もー、せっかくのチャンスをつぶさないでくれないかなぁ」

 まず最初に、帝人にブツブツにこやかに文句を言ってきたのは、黒髪の生徒で折原臨也。帝人のボールペンが間に合わなければ殺人犯になったかも知れないのに、それが不本意とばかりに腹を立てている。

「チャンスって、僕は殺人犯を友人には持ちたくないんだけど? それに友人をみすみす死なせるつもりもないから、これからも危なすぎる時は、邪魔させてもらうけどね」

 両手を腰に当てて仁王立ちになって怒った帝人に、背後から金髪の生徒、平和島静雄が感謝の言葉をかける。

「ありがとな、帝人。助かった。だけど、お前は危ないから、もっと下がってろ。あとちょっとで奴の息の根が止められる」
「はぁ、あとちょっとで駄目だったのはシズちゃんのほうじゃん。何、その勘違い。頭悪いの? イタイタシイネ~」

 またも二人が向かい合って剣呑な空気を漂わせ、決闘の相を呈した時。

「だから、もう、終わり! もう喧嘩しちゃ駄目。駄目ったら駄目だからね!」

 帝人は身体を張って、二人の喧嘩を止る為、二人の間に入って、両手を広げる。

「これ以上、争うなら僕はもう知らない。勝手に二人でどこへなりと行ったらいいよ。その代わり、二人は一切僕に話しかけないでね」
「「う、わかったよ」」

 そっぽを向いてやれば、二人が困ったように口を揃えて了承してくれた。なら、最初から喧嘩しないでくれればいいのに。
 心の中で文句を言った帝人は、二人の状況を見比べる。
 臨也のほうは至るところに服は裂け、髪は煤け、擦り傷だらけだけど、特に大きな外傷はなし。もう一方の静雄のほうはと言えば、臨也の切れ味良すぎるナイフが掠めたのか、頭から血をダラダラと流している。
 悩むまでもない。決まりだ。帝人は、静雄に手を差し伸べる。

「静雄、保健室に行くよ。そのまま流血スプラッタな状況はホラーだから早くなんとかしないと。僕が手当てしてあげるから、さっさと保健室に向おう」
「えー! ずるいずるい。俺も保健室についてくから、帝人君は俺に手当てしてよ。シズちゃんなんかムサイ保険医に手当てさせればいいんだよ」

 すかさす文句をいって帝人に纏わりつこうとする臨也に、帝人はニッコリ笑って、「後片付けは?」と片付けることを要求する。

「えぇええ、いーじゃん、こんなのほっといても」
「駄目。直せる限りは自力で元に戻さなきゃ駄目だからね。自分が遊んだおもちゃは自分で片付けるって幼稚園の時にでも習ったでしょ。それに臨也のケガは、保健室に行くほどのものじゃないよね? そんなものツバでもつければOKだよ」
「じゃ、帝人君がツバつけて消毒してよ」
「変態につける薬ってないよね」

 帝人がすげなく臨也を無視すると、盛大に文句を言ってきたので、「ちゃんと片付けたら、絆創膏の一つくらいは貼ってあげるから」と少しだけ飴というエサを与えてやる。

「約束だよ!」

 臨也がどこぞに携帯で連絡を取り始め、片付けの段取りを手配している。
 臨也のほうはこれでいいとして、あとは面白くなさそうに立っている静雄だ。
 帝人は、「じゃ、行くよ?」と静雄の手を掴むと、保健室まで無理矢理引っ張っていった。

作品名:学園戦争サンドイッチ 作家名:織 夢月