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Shelter シェルター

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大人になると、もっと立派な人間に自然になれるとずっと思っていた。

実際に成長して、年齢が大人と呼ばれるそれになっても、心はずっとフラフラしたままだ。
『うまくこなせない自分』を誰もが心に持っている。

努力したって、出来ないことはたくさんあった。
努力が足らないわけではなくて、精一杯しても、それでも出来ないこともある。

……でも、それが悪いってことじゃない。
すべてが完璧に出来たら、世の中なんて簡単でつまらないじゃないか。


自分の出来ないことを相手に手助けしてもらう。
補ってもらう。
そして自分の出来ることを、手助けする。

そういう『ギブ アンド テイク』が、ものすごく大切なんじゃないかなと、近頃は思っていた。



大切なものはいつも、ありきたりの日常の中にあった。


上々の天気に、となりにはドラコがいる。
これ以上、嬉しい休日などなかった。


ハリーは笑って、軽く相手のほほにキスをすると、ハンドルを握りなおして尋ねた。
「―――さあ、今日は、これからどこへ行く、ドラコ?」


         ■End■
作品名:Shelter シェルター 作家名:sabure