二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
葉月しおん
葉月しおん
novelistID. 28858
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

英雄、ミッドチルダに降臨す3

INDEX|4ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

8.家康、初めての模擬戦



 初めて訓練所に足を運んだ家康は驚きの連続だった。訓練所に築かれた廃墟の街の広さに驚いたが、一番驚いたのは、これが全てコンピュータのプログラムから出来ているというもので、その景色もプログラムによって変わるものだ。
 家康は建物を確かめるように手で触り、挙句の果てにはその廃墟の中で迷子になりそうになった。

 しかし、今になってはフェートやシャーリーの説明で多少のプログラムの仕組みは理解した。未だに分からないことがあるが、家康にとって戦国時代にはない新たな発見にもなったし、いい勉強にもなった。

 午後の訓練にてなのはとフォワードチームによる四対一の模擬戦が繰り広げられていた。

「ウイングロード!」

 スバルはリボルバーナックルで地面を打ち付けて水色の線が現れた。そのウイングロードは訓練所一帯に広がった。スバルはウイングロードを駆け抜けて、ビルの中にティアナが後ろからクロスミラージュを構えて橙色の光をなのはに向けて発射する。なのはは防御魔法を使ってティアナの攻撃を防ぎ、向かってくるスバルの攻撃をかわした。
 エリオは槍型のデバイス『ストラーダ』を構えて素早さを駆使してなのはに向かって突撃するもなのははそれを見切り左にかわす。
 キャロはフリードに指示を出して、彼女自身はエリオに補助魔法を与えた。キャロの補助でエリオのストラーダは強化して、再び構えてなのはに向けて強力な一撃を放った。それに対してなのはは慌てる様子もなく、レイジングハートを構えてエリオの一撃を弾いた。また、フリードのブレストフレアも防御魔法で防ぐ。
 
「どうですか? 家康さん。なのはさん達の戦いぶりを見て」
「あぁ、眼福としか言いようがないな。華麗で躍動感があってな。また、ワシの世界とはまた違った戦い方もする」
「家康さんも武士として心が躍りませんか?」
「まぁな。ワシも強者や好敵手がいるとワシも負けられないなという気持ちになるよ」

 家康はフェイトとシャーリーと共に一つの廃墟の屋上に立ってなのは達の戦いぶりを傍観していた。彼女達の戦いは華麗かつ躍動感があり、家康の時代の世界とはまた違うものだった。家康はなのは達の流麗な戦いぶりを見て感激した。

「よぉ、家康、フェイト、シャーリー! お前らも来てたんだな!」
「ヴィータ殿!」
「テスタロッサ、新しく入った者の様子はどうだ?」
「いいと思いますよ。なのは達の戦いを見て眼福だと言っていました」
「フフッ……そうか」

 ヴィータと今朝ロビーで見かけたピンクの髪のポニーテールの女性が家康達と合流した。

「その者は……?」
「あっ、まだ紹介してなかったね。彼女の名前はシグナム。彼女は私と同じ機動六課ライトニングの副部隊長なんだ」
「では、スバル殿達をまとめる者なのか?」
「まぁ、そういうことになるだろうな」
「ちなみにシグナムはあたしと同じくはやてを守る『ヴォルケンリッター』っていう守護騎士だ」

 フェイトが家康にシグナムの紹介をすると、それに便乗するようにヴィータが彼女の説明をして、家康はそのことを聞き流していた。シグナムは家康に近づき、自己紹介をすると手を出して握手を交わした。
 それと同時になのはとフォワード陣の模擬戦は終了した。

「はい、これで午後の訓練は終わり。みんな、休んでもいいよ」
「ありがとうございました!」

 フォワード陣が元気よく号令をかけると、直ぐに家康達がいる廃墟ビルの屋上まで飛び越えて行った。 
 スバル、ティアナ、エリオ、キャロの四人はすぐに家康までに駆けつけた。

「あっ! 家康さん! 私達の戦いどうでしたか?」

 スバルは家康に嬉しそうな顔をして、戦いぶりはどうだったかと感想を聞いてみると、家康は素晴らしい戦いだったし、流麗な戦い方は今まで見たことがないと賞賛した。
 家康の評価を聞いて「やったぁ! ありがとうございます!」と大喜びをした。ティアナ達もその好評にとても嬉しかった。なのはもまた、彼の優しさにスバル達の成長を見て納得する。

「そうだ、家康さん。もしよかったら家康さんも模擬戦をやってみない? 武将として心が躍りたくなるようなものが体験できるよ」

 フェイトの提案に家康はぽかんとした。

「も……模擬戦?」

 家康にとって模擬戦がどんなものなのかとんと分からなかった。意味は知ってはいるが中身がどんなものなのか分からないままだった。

「例えばなのは達みたいに実践をやってみたり、プログラムでガシェットドローンと戦ったりして、実力を確かめたりするんだ」

 フェイトは懇切丁寧に模擬戦の中身を説明して、例を二つほど挙げた。フェイトの説明を聞いた家康は「あぁ!」と分かったかのように首を縦に何度も振った。
 家康の世界とは異なる訓練に興味を持つようになり、彼はなのは達に「ぜひワシにも模擬戦をやらせてほしい!」と元気よくなのは達に頼んだ。
 「もちろんですよ!」とシャーリーが答えて家康は模擬戦に参加することとなった。
 家康の模擬戦の参加によってなのは達はその家康の圧倒的な力に驚かされるということをまだ知る由もなかった――