らきど るきはぴば
「これといって、俺はないんだが、まあ、おまえを拉致ってやりまくるというのが一番楽な死に方のような気がするよ。」
なんだ、と、俺は苦笑した。似た様なご意見だ。掴んでいた手を手前に引いて、ベルナルドの顔を近づける。
「それなら、今から拉致されてやるから、やりまくってみないか? 」
「そう言うと思ったよ。だから、明日の午前中の仕事は片付けた。・・・・おまえの答えは、なんだったんだ? ルキーノ」
メガネの向こうで微笑んだ瞳は、少し意地悪な光を含んでいる。予想はしているのだろう。さらに、吐息がかかるほどに顔を近づけて、「似たような答えだ。」 と、答えた。
「ふむ、意見の一致はしたのか。じゃあ、両手は縛らせてもらおうかな。」
「なら、医者の格好でもして襲ってくれ。」
「白衣か・・・・あるのかい? 」
「俺のとこにはあるぜ。」
「じゃあ、今夜は、ルキーノのベッドに訪問しよう。お医者さんごっこがしたいって、おまえの趣味も酷いな。」
「縛るのも、どうかと思うぜ、ベルナルド。うちにはロープはないぞ。」
「くくくくく・・・・・ネクタイでいいのさ。そのほうが楽しい。」
どちらも許容範囲だから、それはそれで楽しいから、互いの趣味は気にしない。目の前にある唇に噛み付くようなキスをして、それから部屋を後にした。