【Alwaysシリーズ 1 】 Always
1.
――多分、最終学年のクリスマスだったと思うんだ……
「――ねぇ……、そんなつまらない人生なんか捨ててさ、僕といっしょにいこう」
澄んだエメラルドの瞳をいたずらっぽく輝やかせて、ハリーはそうささやいた。
「君の未来は、君のものなんだ。だから、自分で運命を決めようよ」
しかしドラコはぎゅっとまぶたを閉じると、「無理だ」と呟いて、首を振る。
「この学校に僕たちがいられるのは、あと半年だよドラコ。分かっているの?卒業したらどうするの?」
「マルフォイ家の跡取りとして、いろいろ新しく覚えていくことがたくさんあるから、父上からそれらを習いながら、魔法省の行政機関に就職することになっている」
はぁーっとハリーは重いため息をついた。
「それって面白い?」
「仕事に面白いも何もあるか」
「他人にお膳立てされた未来なんかつまらないよ」
「仕方がないじゃないか。僕はお前とは違うんだ……」
「そんなことないさ。未来なんか変わる。何もかも捨てて僕といこう」
そう言うと、ドラコの前髪をかき上げ、やさしく額に口付けを落とした。
「運命から逃れられるはずがない……」
あくまでもかたくなに拒否するドラコに、ハリーは肩をすくめる。
ハリーはドラコの手を取ると、その中に一つの鍵を渡した。
「はい、クリスマスプレゼント」
恋人から渡されたそれは、銀色の飾りも何もない、全く素っ気無いものだ。
やや小ぶりの鍵を持ち上げて、ドラコは首をかしげる。
「どこの鍵穴に使うんだ?」
「自由への扉だよ。使いたくなったら、手近なドアに差し込んだらいいよ。どの扉でも開くから」
そう言ったハリーは半年後、魔法界から忽然と姿を消したのだった──
――多分、最終学年のクリスマスだったと思うんだ……
「――ねぇ……、そんなつまらない人生なんか捨ててさ、僕といっしょにいこう」
澄んだエメラルドの瞳をいたずらっぽく輝やかせて、ハリーはそうささやいた。
「君の未来は、君のものなんだ。だから、自分で運命を決めようよ」
しかしドラコはぎゅっとまぶたを閉じると、「無理だ」と呟いて、首を振る。
「この学校に僕たちがいられるのは、あと半年だよドラコ。分かっているの?卒業したらどうするの?」
「マルフォイ家の跡取りとして、いろいろ新しく覚えていくことがたくさんあるから、父上からそれらを習いながら、魔法省の行政機関に就職することになっている」
はぁーっとハリーは重いため息をついた。
「それって面白い?」
「仕事に面白いも何もあるか」
「他人にお膳立てされた未来なんかつまらないよ」
「仕方がないじゃないか。僕はお前とは違うんだ……」
「そんなことないさ。未来なんか変わる。何もかも捨てて僕といこう」
そう言うと、ドラコの前髪をかき上げ、やさしく額に口付けを落とした。
「運命から逃れられるはずがない……」
あくまでもかたくなに拒否するドラコに、ハリーは肩をすくめる。
ハリーはドラコの手を取ると、その中に一つの鍵を渡した。
「はい、クリスマスプレゼント」
恋人から渡されたそれは、銀色の飾りも何もない、全く素っ気無いものだ。
やや小ぶりの鍵を持ち上げて、ドラコは首をかしげる。
「どこの鍵穴に使うんだ?」
「自由への扉だよ。使いたくなったら、手近なドアに差し込んだらいいよ。どの扉でも開くから」
そう言ったハリーは半年後、魔法界から忽然と姿を消したのだった──
作品名:【Alwaysシリーズ 1 】 Always 作家名:sabure