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日向 悠一郎
日向 悠一郎
novelistID. 25827
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君と僕~西浦バッテリー~

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―――――――――――






高校硬式野球部。

今年から軟式から硬式に変わった野球部には二年生、つまり先輩がいない、

そんな野球部に入ったメンバーは10人、正直ギリギリの人数だった。

野球部にはピッチャー経験者も、キャッチャー経験者も両方いる、

ピッチャーは臆病なのかいつもおどおどしていた、

その反対にキャッチャーは気が強くよくピッチャーに怒っている。

何とか人が間に入りことなく終わるが、二人とも相手のことが嫌いなわけじゃない。

相手の力になりたい、そのためにはどうすればいい?

心の中ではそんなことを考えてる、だけどそれが伝わることはない、

なぜなら二人ともそんな話を一度もしていないからだ。

そんなこともお構いなしに日々は進んでいく―――・・・





夏大会、

一回戦で敗退されると思われていた一年生チームは二回戦、

三回戦と勝ち進み最終的にはベスト16位になった、

そんな野球部に大きな問題が起きた。

五回戦の対戦相手の選手と、キャッチャーが接触を起こしてしまった・・・・・・

相手の選手は腕を軽く切っただけだったが、キャッチャーの方は選手をよけようとして

変なふうに足を捻ってしまいそのままベンチに戻ることになった。

試合が終わったあと病院に行く事になったキャッチャーは、

二週間後に控える新人戦までには直りそうかと尋ねた。

医師の答えは「間に合うのは間に合うよ。でもね、接着剤で引っ付けた茶碗と同じで完璧に治ったわけじゃないから強い力がかかればすぐに割れてしまうよ。」

何とか間に合うと聞いたからには絶対に直してやる!! そう思っていた、そんな矢先・・・

「先生あの、新人戦の一ヵ月後には秋大会があるんですか・・・」

監督が医師に声をかけた、

「あ、そうか。そっちの方が重要なら新人戦は休ませるのが得策かもね。」

――えぇ!! なんだよそれ・・・・・・!

すっかり安心しきっていたのか監督と医師の話に肩を落とす。

――くさんな、やることはかわんねェまずは直すことに専念して・・・・・・

そんなことを考えながら病院を出たときに監督の携帯に電話がかかってきた。

「はい どーしたの?・・・・・・へぇ、うん・・・うん! なるほど!聞いて置くわ、はーい! じゃーすぐ帰るからね!」

――・・・・・・?

困惑の色を隠せないキャッチャーに監督が

チームとしての目標を決めたいからその意見を紙に書いてほしいと頼んできた。

どうやらキャプテンから頼まれたらしい・・・

――チームの目標・・・つーと何回戦 とか――・・・

自分の思った答えを紙に書いて監督に渡す、

「そいじゃスイマセン! お先に失礼します!」

「お世話様でしたー!」

キャッチャーの母親が挨拶する

「した!」

監督が学校に戻っていくのを見ていたキャッチャーはふと思う・・・

――ミーティング出れなかったな二日は安静か、話せんのは早くて三日後

・・・・・・・・・

――メール打っとくか

学校のグラウンドで練習を始めようとしていたピッチャーに一通のメールが届いた。

《件名:見たら返信》

メールの送り主はキャッチャー、それに少しビビリながらメールを見る・・・

《今までのことについてイロイロ話がある。》

――!!!?

驚きながらも返信しようかとした時に監督が戻ってきて皆を集めた。

――練習、おわったら 返信 する ぞ・・・

そう弱々しく決心した。

キャプテンが皆に声をかける、

「チームの目標をどこにすんのか今の段階で一致させとこうと思う、人と相談しないでまずは一人一人紙に書いてくれ」

皆に紙が配られる

ピッチャーの隣に座っていたチームの4番が紙を渡す時に声をかけてきた

「お前、このチームスキだろ」

「う、うん」

「悩むなよ――。このチームでどうなりたいか 書けよ!」

――・・・このチームで、どうなりたい か?

「思ったことそのまんま書いてくれ!」

キャプテンが言った。



「おーし全員書いたな一斉に出すぞ! せ――の!!」

皆が書いた目標が一斉に出される、甲子園出場 県大優勝 国大出場 

言葉はなんとなく違うが全員甲子園に出場したいのは分かった。

チームの中で4番とピッチャーだけが甲子園優勝と書いていた、

それをキャプテンが聞くとピッチャーが優勝の文字を消した。

「変えんの?」

4番が聞いてきた。



「な 目標って統一すんだろ」

2番が尋ねる

「おお そのつもり」

「じゃーさ 甲子園出場以上とかにすれば今のままでも・・・全員一致・・・・・・にはならないか 50点目指すのと100点目指すのくらい違うもんな」

後ろで会話を聞いている監督が小さく笑う。

「全国制はで統一しようよ」

4番が口を開いた、その目は真剣そのものに見える。

「それだと俺にとってはー、その―― 現実感がなすぎ・・・つーか」

8番が呟く

「現実感ないくらいじゃないと〔目標〕って言わなくねー?」

そんな感じで話は進んで行く、目標は統一しなくてもいいんじゃないかって言う案も出た。

1番がキャプテンに声をかけた、

「オレもあんま考えね―で子供ン頃からの夢そのまんま書いたんだ〔目標〕としてちゃんと考えっから 決めんの明日まで待ってくんねーか」

「そ そうか いきなり書かしたもんな・・・・・・監督。」

監督の方に目を向ける

「いいよ 明日また時間とりましょ」

監督が皆の顔を見回す

「ところで 今の練習それなりにキツイと思うけど目標決まったら私はそこへ向けて日割りでメニュー組むからね。高い目標立てるならそれ相応のカクゴもしてください」

『・・・はいっ』

「監督!」

またもや4番が声を張り上げる

「監督の目標聞かしてください!」

「私は全部勝ちたいよ」

監督がにっと笑い、強い口調で言った

「でも野球をするのはあなたたちだからね・・・あなたたちの高校野球生活はあと丸2年!この2年をどう過ごすのか 明日までよく考えてきてちょうだい!」

『はいっ!』



反省会も終わり、監督たちは父母会があるということで今日は六時で練習を切り上げた。

皆が着替えている中一人手が止まっているピッチャーにキャプテンが声をかけた。

ビックリしながら答えたピッチャ―の手には携帯が握られていて

振り返った時にマネージャーのほうに突き出す形となった。

「あ~ あの、ごめんねメール・・・読めちゃった」

マネジャーが素直に謝罪を入れる。

「それで ね、今日早くおわったし・・・御見舞い行ってあげれば?」

――お・・・み・・・?

「ゆっくり話せるの今日ぐらいかも」

「で も、場所」

ピッチャーがキョドキョドしている

「場所わかるよー地図かくね」

キャプテンがとった携帯を他の二人が覗き込む

「こりゃ行ってやんなよ」

「うん」

「今日は多分あいつが一番へこんでンだろーし」

「そーだなケガしたしな」

――へ、へこん・・・・・・

口々に発せられる言葉に行くかどうか迷っているピッチャーに