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刹那 甘露
刹那 甘露
novelistID. 28816
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気づいた時には・・・

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ああ、彼方への思いは今日も届かない。







「菊~。どうしよう~。アルが・・・。」
今日もこの人の悩みを聞き、アドバイスをする。そして・・・。
あの人が向かいに来る。
ああ、私はどんな顔をしてあの人に会えばいいのだろう?
あの人は、いつもこの人を見て笑う。
もし、あの人が私を見てくれたとしてももうわたしには・・・。













「で、何しに来たのかな?アーサー君」
「別に、ただ通りかかっただけだ。悩みを聞いてほしくて来たんじゃないからな。」
「あっそう、とりあえず上がったら?お兄さんがおいしいお茶入れるから。」
アーサーは言われるがまま、フランシスの部屋に上がる。





「それで、なんだか菊の様子がおかしいと。」
「ああ、菊だけじゃないアルもなんだ。」
「ふうん。で、それに気づき始めたのはいつ?」
「アルのことで菊に相談に行ったときかな?」
フランシスは、ため息をつく。
(可哀想な、菊。きっと辛かったろうに。)
そんなことを一切知らない目の前のこいつ。
フランシスはもう一度ため息をつく。
「わかった。お兄さんも調べてみる。」
「ありがとう、フランシス。」
目の前の何も知らないやつが笑う。

(幸せのやつほど何も見えてないってか)





こちら、連合軍会議室。
ここで緊急会議が行われた。
メンバーは、アルとアーサー以外の三名と台湾とオーストリアとハンガリーだ。
この六人が集まった理由、それは菊のことについてだ。
「それでは、緊急会議を行います。進行はお兄さんです。」
「今回の議題は菊の恋についてです。皆さん気づいてると思いますが、菊はとても可哀想なことになっています。そんな菊のためにも、われわれが一肌脱ぎたいと思います。
では、まず彼のことで何か知っていることがあればどんどん行ってください。」
彼の言葉にその場にいた皆が、やっぱりそうかという顔をしている。
「じゃあ、まずいつも世話になっている私から。」
そう言って台湾が話し出す。
「今まで私の勘違いだろうと思っていたんですが、菊さんいつも夜泣いているんですよ。私も、最近そのことに気づいたんです。」
「そうだったあるか・・・。我が知っているのは、美国のやつも菊のことが好きだったということぐらいである。菊が、そのことについて嬉しそうに我に話していたから覚えているある。」
「え、それは初耳。そんな事お兄さん聞いてないよ?」
「それはそうでしょう?あなたが知っているのはアーサーとアルのことだけなんだから、このお馬鹿さん。そんなこともわからないんですか?」
「そういえばそうだったかも・・・。」
「それだけじゃないわよ?」
とハンガリーの言葉でみんな静まる。
「最初に菊さんに告ったのはアルよ。」
その言葉に、中国が反応する。
「どういうことある?」
「だ・か・ら、菊さんをその気にさせたのはアルで、振ったのも彼。つまり、可哀想な菊さんということね。」
「それじゃあ、菊はあいつに遊ばれたあるか?」
「そういうことね。」
「うわっ、ひでえ。」
フランシスの反応に中国が怒る。
「ひどいだけじゃないある。菊の初恋も奪いやがって許せないある。」
「まあ、とりあえず落ち着いて。」
台湾のなだめもあってようやっと落ち着く。
「僕は、彼らのこと全て知っているよ。」
みんながロシアを見る。
「それはどういうことだ?」
「言葉どうりの意味。まあ、あえて言うとしたら菊はもう彼とは付き合えないんじゃないかな?」
「それはどうしてあるか?」
「教えない。でもこのままだと菊が可哀想だから彼には菊の思いを知ってもらわないとね。」
そういうとロシアは立ち上がり、出て行く。


それを見て、フランシスは静かに言った。
「そういうことで、今回の会議を終わりたいと思います。この会議はまたやりたいと思います。」






ロシアは、アメリカの家に行っていた。







「やあ、お久しぶり。」
アルは自分のやっていたことを一端おいてロシアを家に上げる。
「その顔は来てほしくなかったみたいだね。」
「そりゃそうだろう?君から来るなんてよほどのことじゃない限りないし、ましてや来る気もなかったんじゃないの?」
「よく、僕のことわかっているね。その通り。一生来る気もなかったんだけど、まあ、君の勘違いを解くために来たんだ。」
「珍しいんだぞ。そんなに俺に気を使う事でもした?」
ロシアは静かに笑う。
「何を言っているの?君だってわかっているんだろう?なんで僕が来たのか。」
「そんなの何の覚えもないんだぞ。」
「じゃあ、教えてあげる。
菊はいまだに君のことが好きだよ。」
「それは…。嘘だね。」
「僕にここまで言わせておいて、それでも嘘だとかいうんだ?」
「だって、証拠がないじゃないか。」
「そんなに証拠がほしいの?それだったら、ついてきてよ。」
ロシアの言うとおりついていく。






菊邸。





菊は、今日も泣いていた。
「ピンポーン。」
チャイムが鳴り、涙を拭いて外に出る。
「はーい。ちょっと待ってください。」
扉を開くと、目の前にはアルがいた。
「!!!。」
「やあ、菊。」
「こんな遅くにどうしたんですか?」
心なしか自然と笑顔になる。
「いや、確認したいことがあるというか、なんていうか・・・。」
「何をです?」
「いや……、あのさ、菊って・・・」
「なんです?」
「・・・・・。」
「黙ってちゃわからないでしょ?」
後ろからロシアが出てきた。
「!!!・・・・いっ、・・・・・いっ、やあーーー!」
菊が勢いよく後ろに下がる。
「き…、菊?」
菊は、怯えたように震えている。
「・・・・・。そうだよね。簡単には消えないよね?僕とのこと。」
ロシアは静かにでも眼だけはまがまがしく言った。
「どういうことなんだぞ?」
「一つ聞いていい?君は菊のこと好き?」
震えた菊を見る。
「ああ、好きだよ。」
「それは、菊が一番ってこと?」
「いや、違う。」
菊はその言葉を聞き、自然と涙が出ていた。
「じゃ、君には関係ないね。」
「いや、関係あるんだぞ。一番じゃなくても、愛しているんだぞ。」
「それは、愛してるとは言わないんじゃあない? 愛しているならば、その人を悲しませることはしないと思うよ。」
「な・・・・・ぜ・・・・・あなたが…・いるんです? あなたとのことは・・・・・おわったはずです。」
そう、震えながら必死に言う菊。
「本当にそう思ってる?なら、なぜそんなに震えているの?ああ、もしかしてあの時のこと思いだしているの?」
その言葉を聞いて、菊の震えが一層増す。
「そうなんだね。じゃあ、アル君に教えてあげないと。だって君のことを愛してるなんて勘違いしているんだよ?僕たちのこと教えてあげて、身を引いてもらおう。」
アルに向いて言う。

「あのね、菊はね・・・・・君のために、僕に抱かれたんだよ。」
その言葉が、ゆっくり聞こえた気がした。

「嘘だ・・・・・。」
静かにその声が響く。
一人だけ笑っているやつを抜かせば・・・。
「嘘じゃないよ?君は本当に勘違いをしていたようだね。君は菊を守っていたと思っているみたいだけど、それは違う。むしろ、守られていたのは君のほうさ!」