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どこにも行けないの? フランスが平然と言うものだから怒りを通り越して笑いたいような気になる。唇の端だけを引き攣らせ、「そんなことない」咄嗟に否定したがすぐに無理だと気付いてしまう。首を傾げた男が手首を掴む力を強めた。ああ、この手が全ての元凶だと、俺は確かに知っているのに。/fe
0122 14:43

何にもなれなくていいよと囁く男の口調は軽い。いいんだよ、お前はそのままでいい。何にも信じられない疲れた心は酷く弱まっていた。嘘だと思う理性はもうどこにもない。顔を覆った手をどけて、そうっと視線を上げてみる。「やっとこっち見た」眉を下げて笑う、その笑顔に涙腺が緩んだ。/fe①
0127 21:07

フランスの手が伸びてきて、ふんわりと俺の頬を撫でる。頬を伝った涙を大きな手の平で拭われた。そうしてそのままぎゅっと抱きしめられて堅い胸に額をつける。親が子にするように、数度背を軽く叩かれた。「大丈夫だよ、坊ちゃん」穏やかなリズムに身をまかせながら、俺はそっと目を閉じる。/fe②
0127 21:07

視線をやった先、胸元のシャツを掴むイギリスの指が震えている――もうどこにもいかないでとでも言うかのように。でもそれはきっと、俺でなくてあいつに向けるものではないの。思わず嘆息したけれど、細い背も震える肩も、手離せなかった。ああ、冷たいシーツは人肌を愛したくなるからよくない。/fe
0131 22:23


いきなり静かになったのを不思議に思って隣を見遣る。こちらの肩に寄り掛かる彼は真っ直ぐ前を見つめていた。丸い頬に一筋涙が伝うのに気付いてため息を吐く。またかと思いながら小さな頭を引き寄せた。「あんま無理しないのよ」髪を撫でて耳元に囁けば、ばかぁ、と可愛くない声が返ってくる。/fe
0204 20:57

近付いてくる足音には気付いていたが知らんぷりをした。その内に音もなく仮面を外され、視線を瞼の辺りに感じてくすぐったくなる。おじさん、と呟く声に合わせてそっと目を開けた。「…そう面白いもんでもねえやな」笑えば瞳が大きく見開かれ、見る見る内に白い頬が鮮やかに染まった。/土氷
0204 22:28


やめてよと言ったのに、ダンはその手をどけなかった。しゃがみ込み、膝を抱えて顔を伏せる僕の髪をかき混ぜる。耐えきれずに振り向き、唇を尖らせれば、くしゃっとした顔で笑うダンと目が合った。「泣くよかそういう顔のがえがっぺ、な、イース」目尻を指先で拭われて、思わず頬が熱くなった。/丁氷
0301 00:09

ここにいるよという言葉は彼お得意の魔法だった。微笑むだけでアーサーを安心させる、やさしい魔法。本当ならアーサーの方が、もっとたくさんの魔法を知っているし、使えるのに。それでも、アーサーの手を握って笑う、ささやかな魔法を掛けられるのは、やはり他の誰でもなく、彼だけなのだ。/fe
0321 16:55

使い古されて段々に意味を失くしていくものがあるのなら、彼の言葉は正にそれだ。愛しているとか、お前だけだ、とか。耳が腐りそうな程甘く、そのくせ妙に薄っぺらな台詞。聞き飽きたそれは、けれど確かに俺の脳内を徐々に侵して。あんなの誰にでも言っていて、……俺は特別なんかじゃないのに。/fe
0323 22:42

泣いて叫べばすぐに飛んできてくれるの? 何よりも誰よりも優先してくれるの? 口に出すのも恥ずかしい程、余りに愚かで拙い問いだ。俺は微かに首を振ると、心中を埋め尽くす浅はかな望みを打ち砕く。願っては駄目だ。あの男が俺に微笑んで、柔らかに手を差し延べることなど願っては。/fe
0329 22:39

耳に心地よい言葉が欲しかっただけ、安心させて欲しかっただけ。髪を撫でる手が欲しかっただけ、欲されていると思いたかっただけ。そのためなら幾度も微笑んで、彼にも俺にも嘘を吐いた。ああ、こんな身勝手な脳ならなくていい、(誰からも許されたいだなんて、おこがましいにも程がある。)/fe
0331 00:00


協商!
するりと這わせた指の先がシンプルな指輪に行き当たる。かたちのよい人差し指にぴたりとはまったそれを見つめ、こんなの持っていたっけと首を傾げた。すると、「出掛けに買ったの」俺の視線に気付いたらしいフランスが小さく笑った。目前に差し出された小さな銀が陽光にきらきらと輝く。/fe①
0409 00:28

複雑に光を反射するそれを見つめ、綺麗だと呟くと、ひとつ瞬いたフランスが不意に指輪を抜き取った。そうして俺の左手をとり、恭しく捧げ持つ。「フランス?」何を、と、問うた声は途中で潰れた。真正面から深い色をした瞳に見つめられて息を飲む。捕われた指先がじんと痺れていた。/fe②
0409 00:28

フランスが、少し前までは彼の手にあった銀色の輪を俺の指先に移す。皮膚を滑る感触に目を伏せた。「来年まで持ってて、坊ちゃん」囁きは小さくて、それでも何故かはっきりと耳に届く。瞼を上げ、指輪の行き着いた先を確かめて思わず声を上げる。――ああ、人差し指ではない、だなんて!/fe③
0409 00:29

シーツを被って震えている君はきっと、幼いあのときから変わっていない。たすけてと、声を振り絞って叫んだなら、すぐにだって抱きしめるのに。拒絶されるくらいならと最初から何もかもを諦めないでよ。まだ手は伸ばさない。ねえ、呼んで、俺を呼んで。そうしたら、迷わず指を絡める、から。/fe
0427 22:31


嬉しいと呟いた彼はうっとりと目を伏せると、半ば顔を埋めるようにして花束を抱きしめた。そうして、しばらくの後にやわらかな笑みを浮かべて頭を上げると、その細い指先で、つややかな花弁を一枚一枚なぞり辿り始めた。幾重にもなった花弁を掻き分け、花占いのように摘み取っていく。/fe①
0521 00:28

ちぎり取られた花弁はもう片方の手の平に集められ、みるみる内に山のようになった。ひとつの花を丸裸にしたところで、ようやく彼は呆気に取られて見つめる俺の姿に気付いた。なに、やってるの。掠れた疑問詞に、彼が軽く首を傾げる。その弾みに、赤い花弁が1枚舞い落ちた。/fe②
0521 00:28

白い指が手の平から花弁を摘み上げる。そうしてそれを唇に当てると、彼は夢見るように囁いた。お前がくれたきらきらしたものを、全て嚥下してしまいたかった。赤い花弁と赤い、赤い舌。喉仏が上下する。微笑んだ彼は朗らかに告げる、「お前に愛されていると、器官の全てで知りたいよ」/fe③
0521 00:28

ひとりでだって生きていける、そう思っていたかったのに。「ほんとお前は可愛くねえなあ」ほら、貴方はこうやって僕を構う。ため息を吐いて、呆れた顔をして、それでも決して離れていかない。(いずれ失うなら、ひとりの世界を壊さないで生きていきたいと、思う僕を見透かすように。)/兎→虎
0524 22:35
作品名:twitter log #05 作家名:はしま