新 三匹の子豚Ⅱ
それから数日後のこと。三匹が外へ出てみると、みんなが集まって何かヒソヒソと話しています。
「何かあったの?」
ブーが尋ねました。
「うん。実は森の入口の所で、年とったライオンが死んでたんだって。ハゲタカに身体をあっちこっち突付かれて酷い状態だっらしいよ」
幼馴染のトンペイがそう教えてくれました。
「ああーっ!」
ウーがそう言って思わず口を押さえました。
顔は真っ青になっています。
それに気付いたブーとフーが、慌ててウーを家の中に連れて入りました。
「ウー、仕方ないんだよ。こうなる運命なんだから……」
ブーがそう言って慰めました。
「そうだよ。おじいさんが自分で決めたことなんだから。どうしようもないんだよ」
フーもそう言って、ウーの背中を撫でてやりました。
「……うん。そうだよね。――でも、そのままじゃ可哀想だよ。ねえ、お墓を作ってあげようよ。兄さんたちも手伝って。お願いだから」
半べそでウーがそう言いました。
「うん。分かった。じゃあみんなで力を合わせておじいさんライオンのお墓を作ろう!」
ブーが言いました。
「うん、そうしよう!」
フーも言いました。
それから三匹はスコップを持って、森の入口に行きました。
そこには、聞いていたとおり、おじいさんライオンが酷い状態で倒れていました。
しかしなぜだか、顔だけはにこやかな笑顔でした。
三匹はそのすぐ近くにみんなで穴を掘り、おじいさんライオンをそっと穴へ入れると、その上から土をかけ、最後に木の枝を立てました。
「おじいさん、ちゃんと天国に行けるかなあ」
ウーが心配そうに言いました。
「行けるようにみんなで祈ろうよ」
ブーがそう言うと、
「うん、そうしよう。みんなで祈ろう」
フーもそう応えました。
三匹はその場に跪くと、しっかり手を合わせて祈りました。
「どうぞ神様お願いです。おじいさんを天国に迎えてあげて下さい」
しばらく黙祷を捧げて、そっと見上げた空に、おじいさんライオンそっくりの白い雲が、三匹に向かってにっこり笑って見えました。
おしまい