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【かいねこ】鳥籠姫

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相変わらずの会話に、カイトも笑いを堪えながら、玉露に椅子を渡そうとして、置きっぱなしになっている本に気がついた。
『鳥かご姫と闇の王子』と書かれた表紙をめくり、物語の最後に目を通す。
元の話が線で消され、玉露の字で新たな物語が綴られていた。

嘆き悲しむ鳥かご姫の声を聞きつけた魔法使いが、鳥かご姫の「歌」と引き替えに、王子を生き返らせる。
歌を無くした鳥かご姫と、人間として生き返った王子は、魔法使いのお城で、いつまでも幸せに暮らしましたというもの。

カイトは顔を上げて、玉露といろはを見やると、

「マスター、僕にも、魔道士としての修行をさせてください」
「はあ?」

唐突なカイトの言葉に、玉露は驚いて顔を向ける。

「鳥かご姫は、歌と引き替えに願いを叶えてもらったのでしょう?僕も、これからは歌ではなく、魔道士としてお役に立ちたいです」

口を開きかけた玉露を遮って、いろはがカイトに抱きつき、

「それがいいです!!カイトさんも、一緒に修行しましょう!!」
「おい」
「ぶはっ!!いいじゃんそれ!!良かったな玉露!!」

腹を抱えて笑うアッサムを睨み付け、

「・・・・・・半人前は、いろはだけで十分だ」

玉露の呟きは、アッサムの笑い声といろはの歓声にかき消された。



終わり
作品名:【かいねこ】鳥籠姫 作家名:シャオ