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【円風円】好きだから

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学校は違ったけど、俺の気持ちを知っていた吹雪たちが気を遣って仲間に入れてくれた。
それなりに楽しく飲んでいると、夏未が来た。

「風丸君…、ちょっと…。」
「あぁ…。」

大体、話されることは予想がついた。
円堂のことだろう。

「久しぶりね。髪、また伸びた??」
「あぁ…。それより、なんだ?」
「……私…卒業式の次の日に、円堂くんに告白したわ。」
「そっか…」
「最初はフラれたの。まだ風丸君のことが好きだってね?」
「は…?」
「でも…、また告白したわ。そしたら、OKしてくれて…。風丸君のこと完璧に忘れられてないけどいいのか?って。風丸くんを忘れるために私と付き合っていいのか?って。幾度となく聞いてきたわ。」
「あいつらしいな。」
「そうね…。今、円堂くんは10年間ずっと思い続けてるあなたを忘れようと必死よ。」
「うん…。」

忘れないって言ったのにな…。

「あとで、話してみるよ。」
「ええ、それがいいと思うわ。」
「じゃあな。」

二人でみんなのところに戻った。
円堂がこっちを見てて、目があった。

「!!…っ!」

不自然にそらしちゃったか…。

それからまたみんなで飲んで、気付けば日付が変わるころだった。

「そろそろ、お開きな!!また会おうな、みんな!!」

円堂の呼びかけで、みんな帰り支度をはじめて解散した。
俺も帰ろうとした時…

「風丸…、ちょっと…いいか?」
「あぁ…。」

夏未のほうを見ると、あっちも俺を見ていてうなずいてくれた。
俺もうなずき返して、円堂と一緒に店を出た。


円堂はなにをしゃべるわけでもなく黙って歩く。
沈黙に耐えれなくなった俺が、先に口を開いた。

「久しぶりだよな。みんなでああやって騒ぐのって。」
「そうだな。」
「………」
「………」

また黙ってしまった…。どうしたら…
そう思った矢先。

「風丸…、ごめん。」
「何だよ、いきなり。」
「俺、忘れないとか言って…やっぱり辛くて…。忘れようと、夏未と付き合った。」
「うん…」
「でも、やっぱり忘れられなくて…。今も…」
「なんだよ…。」
「今も……まだ好きだ…」
「はぁ?何言ってんだよ。お前、夏未と付き合ってるんだろ?」
「それは……。」

「そうだけど…」と、円堂が小さい声でつづけた。
そこに俺は、追い打ちをかける。

「悪いけど、俺はもうお前のことなんか忘れてる。」

円堂の、傷ついた顔…。
俺まで、表情がゆがんだ。悟られないように、話を続けた。

「お前のこと好きじゃない。」



「彼女だっているし。」

うそ

「毎日が充実している。」

ウソ

今だって、心にぽっかり穴があいたような…。何か足りない…。
『何か』だなんて、そんな回りくどい言い方しなくても、それが『円堂』なんだ。
穴を埋めるには、円堂が必要だ。

でも、それでは、円堂が…。
円堂には、普通の生活を送ってほしい…。

夏未と結婚して…。子供産んで…。孫ができて…。ひ孫のカノンが産まれて…。

そういう、普通の家庭を築いてほしいんだ。
だから…ごめん。

ほんとは俺も好きだよ。
忘れてない。


……円堂っ…

とうとう耐えきれず、うつむいた。





「嘘ついてんじゃねぇよ…。」

「え…?」
「そんな嘘、俺に通用すると思ってんのかよっ!?」
「円堂…??」
「そんな、泣きそうな顔で言われたって…。信じれねぇよ…。」
「…っ」

泣きそうな…?
……本当だ……俺、泣きそうだ…。

「そうだよ…。まだ、忘れてないよ…。
 でもっ!!俺が…お前のためにこの決断をしたのに…。
 なんで…どうしてお前はそうやって、俺の心に入ってくるんだ!?」
「風丸…」
「頼む…。これは俺からの最後のお願いだ…。」
「何だ。」
「円堂……
 
    幸せになってくれ…。夏未と。」
「…あぁ…。」
「ごめんな…。ありがとう。じゃあな。」
「風丸…。」

俺は、フラフラとした足取りで家路についた。
家に着き、携帯を開くと、円堂からメールがきていた。

≪今日はごめんな。絶対幸せになるから。お前が幸せと思える日が来たら、連絡よこせよ。じゃあ。≫

「はぁ…っ。円堂っ…」

寝る前にもう一度メールを開いて、さっきのメールを見た。

その日、俺は一晩中泣き続けた。
円堂のことを想って……。

幸せになれよ、円堂。
多分、連絡できる日は来ないけど…ごめんな。

でも、いつか連絡できる日を信じて待っていてくれると嬉しいな。


END.

わっけわからん話になってすいませんでした…。
完璧な自己満足です…。

アドバイス含め、コメくれると嬉しいです^^
作品名:【円風円】好きだから 作家名:のん