二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

新 三匹の子豚Ⅲ

INDEX|20ページ/20ページ|

前のページ
 


 トラの姿が視界から消えると、みんなが一斉に大きな溜息をつきました。本当はみんな怖くて内心びくびくしてたんです。ウーだって一緒です。

「さあ、帰ろうよ!」
 また誰かが言いました。
「そうだ、帰ろう。帰ろう」

 そう言いながら、みんなで村へ向かって歩き出しました。また ぞろぞろと行列です。

 ウーとウルフルは並んで歩いていました。
 まもなくウルフルの家が見えてくる頃に、トンタが二人のそばに寄ってきました。

「えっとー、ウルフルくん」
 トンタが声を掛けます。
「うん?」
「あのう……疑って本当に悪かったよ。ごめん!」
 トンタが頭を下げました。

 ウーが思わずウルフルの目を見ると、ウルフルが優しさを湛えた瞳で頷きました。

「トンタさん、もういいですよ。俺じゃないってことが分かってもらえれば……。俺の過去はどうしようもないし、疑われるのは仕方のないことだもの」
「いやあ、ウルフルくん。本当に悪いことをしたと思ってるよ。だから、こう言っちゃなんだけど、これからはおらとも友達になってくれないだろうか?」
「ええっ?……本当ですか?」
「ああ、是非! こんなおらで良かったら……」
「ああ、なんて嬉しいんだろう。こんな嬉しい申し出を断ったりなんかするもんですか!」

「良かったね。ウルフルくん!」
 ウーはそう言うと、二人の右手を取って、それぞれの手を重ねました。

 トンタとウルフルは堅く握った互いの手を、力を込めて上下に振りました。

 そう、この日ウルフルは、本当の意味で村の仲間になったのでした。
     
               −おしまい−
作品名:新 三匹の子豚Ⅲ 作家名:ゆうか♪