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Plam2

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その日行われた何の面白味のない定例会議は、その場の誰にとっても苦痛だった。何しろ議題内容が11代目誕生にむけての努力をしろという、古株からの説教だったので。


前々から度々あったことなのだが、説教会議も回を重ねるごとにヒートアップし、今や10代目への糾弾に近かった。何しろボスはある男としかベッドを共にしないので。飛び交う言葉ひとつひとつが爆弾だ。獄寺もわずかポーカーフェイスをひきつらせる。山本さえも頭を掻いて苦笑する、のがやっとだった。

説教から罵りへ。思考を変化させることは愉悦なのか。お歴々方はもはやよだれを垂らしかねない勢いで言葉の暴力の極みを目指していた。獄寺の堪忍袋などとうに破裂していたし、山本の目は徐々に細まっていくのを抑えられなかった。それでも彼らはなんのアクションも起こさない。いや、起こせない。
獄寺と山本の間にすわる主。10代目、沢田綱吉の気配が彼らの怒りを吸いとるよう膨らんでいくから。ここは自分たちのでしゃばるところではない、そう悟っていた。

怒りでも悲しみでもない気配。ただただ圧倒的な存在感が細胞の隙間まで入り込んでくる。それが恐ろしい。普段はウサギにでさえ狩られそうなのに、戦車を叩き潰す小ネズミのような猛々しさを持っている主だけに、尚更。


永遠に続きそうな説教と主のオーラ膨張に嵐と雨は気が遠くなりかけた。だがどのようなものにも終わりはある。上品なイタリーで下世話な忠告を陶然と宣っていた男たちの口から「フウキ」という言葉が出たとき、その瞬間がまさにそうだった。


この、血で血を洗うような説教会の、滅亡の瞬間だった。
それまでまばたき以外の動作を一切しなかった10代目は、食物連鎖のやや下から一気に頂点へと躍り上がるように立ち上がって、覇者の微笑みを浮かべた。

そう、沢田は覇者。いや神だ。彼は今マフィアのドンなどというちっぽけな頂点にいるが。本来は神だ。


突っ込みの、神だ。
だから彼に精神面で突っ込める者などこの世に存在しない。



「34年間生きてきて一度も誰かを、この際男含め、抱いたことがありません。抱かれまくる一方です。なので残念ですがオレもう前だけじゃあダメなんですよ」


獄寺は恥ずかしさの極地の中、主の潔さに感涙を禁じ得なかった。無理もない。どのような辱しめも乗り越え、武器にし、おのがみちをゆく理想の漢が目の前にいるのだ。泣かないわけがない。
山本は一瞬にして風化したお歴々をみとりながら、ツナやっぱすげえなああおもしれええなあ、お前はやっぱずっと赤マルチェックだぜ、と口笛を吹いた。






沢田綱吉は漢
作品名:Plam2 作家名:夕凪