Plam2
海と湖の区別が、50歩100歩、大差ないのかもしれないのと同じで。飛ぶことと跳躍の差も、また。
そんなことを雲雀はゆるり左脳の片隅で考えてみる。視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚、五識。すべて青空に塗りつぶされているから、ゆるりゆるり。今にも落ちてきそうな空を刺激しないように考えた。
そしてたどり着く結果。雲雀はわずかたち眩む。いま、自身は紛れもなく青空によって閉じ込められている。眼は青空で濁り、肌は青空が染み込んできて、肺は、青空が詰め込まれる拘束を負っている。
しかし、けれど、だから、雲雀は待っていた。
青空に侵され潰される前に助けに来て、くれる。
青空を壊してくれる、あの子を。