BOKORI TITLE 10
02:つねる
知っているか沢田。そうヒバリさんはオレの頬をつねつね。弾力を確かめるようつねつねした。
痛みはね。痛点という感覚センサーがあってね。ヒバリさんは指ではなくとうとう手のひら全体で頬をつまむ。むにむに。歯の周りのお肉、持っていかれそう。
その痛点を回避して与えられたダメージは、痛くないんだよ。ヒバリさんはつねったまま動きをとめた。ああん、もう。やめてくださいよ。
「痛くなったらやめる」
「いたいですめっちゃ」
「ウソつき。赤ん坊に聞いた」
「ち。バレたかやっぱり」
「痛覚錯覚症?なにそれ」
「詳しくはシャマルに」
「何かってに痛みをなくしてるの。つまらない」
「あんたいたがることすんの好きですよねえ。ほんとムリヤリ押し込むし」
「君がつまらなくなったら困る」
「ご安心を、痛みならちゃんと感じています」
「どこで」
ムスッとふくれるヒバリさんの手を頬からはなして、乳首と乳首のやや間にぺたん。
「ここ。心にたくさん、もってますから痛点」
痛くなるのは、あなた次第です、そう笑ってやった。
作品名:BOKORI TITLE 10 作家名:夕凪