秋の夜長のお供には
「…夜って、長いよなー」
「はい?えぇ…まぁ、そうですね」
「…あの後、あんま眠れなかったんだが」
「あう…。す、すいません…」
「…で、あの噛み傷も疼いて、今日も眠れそーにない訳だ」
「え、あ、はい…?」
「……解るな?」
じろり、と睨まれ、瞬きを二、三度。
それと共に、緩む顔も自覚しながら。
「はいっ!!横島さんっ♪」
「…満面の笑みで答えんじゃねー」
ぷいっ、と背けられた頬に朱が差しているのを見てとって、ピートの顔は益々緩み。
「次は身体ごと頂きに参りますねっ!!」
「調子に乗んなぁっ!!」
──────秋の夜長のお供には。
半吸血鬼を一人。
勿論、貴方限定で。