龍と鬼と邪と祭り
そんでもって。
結局の所──
「横島!!来てやったぞ!!存分に喜ぶがいい!!」
「だからせめて小竜姫様を連れてこい!!……って違う!!てめー結構頻繁に地上に来てんじゃねーか!!」
「お前が返事を引き延ばしておるからじゃろう。言質は取っておかねばならん」
「……考えとくって言ったじゃねーか」
「それは答になっておらんからな。来る、と一言漏らせばそれで済む。……失言は得意技じゃろう?」
「お前俺の失言待ちかよっ!?……つーか、何で俺にそこまで拘るんだよ。他にもいんだろ、家臣とか部下とか」
「……そんなもの、横島だからに決まっとるじゃろうが。余はお前が欲しいのじゃ」
「ごふぅっ!?」
ドストレートな天龍の言葉に、横島撃沈。
天龍にとっては事実を述べたまでなので、そんな大ダメージを受ける横島の姿が少し疑問だったりするが。
「因みにボクも返事待ってるでー」
「うわぁぁぁぁ鬼道ーーー!!」
「……何じゃ、まだそっちにも応えとらんのか。……いっその事、余にしておくか?今から余のものになっておけば、小竜姫との関係も進むぞ?今なら更にパピリオ付きじゃ!!」
「お前は何て事をーーー!!」
「……ハーレム作れそうやなー。それならそれで、一員ならいけそうやね?」
「鬼道も何アホな事言っとるかーーー!!!」
「ふむ。……ならばその取っ掛かりとして、余達を自分のものとするがいい」
じりじり。
「……え?いやあの天龍さん?何故にじり寄ってキマスカ?」
「……まー、皆の横島って事で。誰かに独占されて収まる子でも無いしなー」
じりじりじり。
「えぇっ!?こっちも!?ちょ、おま、なっ……あああっ………!!?」
……この先どうなるのかは判然とはしないものの。
そう遠くない内に訪れるであろう祭りは、とても、とても。
賑やかでハチャメチャで、楽しくも大変なものになるに違いない。
「……ところで小竜姫ししょー、天界には何の用だったんでちゅか?私、よく解らなかったでちゅよ」
「……申請とか、色々ですよ」
「?何のでちゅか?」
「……また少し内容を変えなければなりませんが……まぁ、横島さんですから。仕方ありませんね」
「ポチ絡みでちゅか!?」
「興奮で以前の呼び方に戻ってますよ。……取り敢えず、殿下の手腕に期待しましょう」
老若男女、人間神魔妖怪その他諸々エトセトラ。
誰が本当の勝者となるか。
祭りの終わりに解るだろうか。
取り敢えず、今は。
「なっ……何でこんな事にぃぃーーー!!!」
頭抱えて嘆く横島には、当然解る筈も無い。