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お菓子みたいに甘い

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ダイジ



やっぱりメロンみたい。女王はそう呟いて、タオル包みを取り上げた。
すうすうと寝息を立てて、アリスが寝ている。
その寝顔は、昔と変わらず可愛らしい。病院に来たばかりは随分うなされていたようだけれど、最近はこんな寝顔を見せるようになった。それが、猫のおかげだということも女王にはわかっていて、それが口惜しい。
猫の首を大事そうに抱えていたアリスからそれを取り上げると、アリスは少し呻いたけれど、こんなものを抱えているよりよっぽどいいだろう。
「首になってアリスに抱えられるなんていい身分ね。」
「そうかい?とても苦しかったよ。」
女王はフードの上の部分で猫を摘み上げると、それをサイドボードの上に置いた。
「それはなんだい?」
「メロンよ。 ちょうど首に似ているし、ニンゲンはお見舞いにメロンを持っていくらしいの。」
「ふうん。」
猫は興味なさそうに、アリスを見つめてにんまりする。
「にやにやしないで、気持ちが悪い」
「アリスが元気でよかったね、女王」
「自慢がしたいの?」
「女王も元気でよかったよ」
にんまり顔のチェシャ猫がなにを考えているのかは女王には分からず、むうと頬を膨らませる。
「カードでもいれておくといい。アリスが心配するよ。」
「あなたの?しないわ。」
言いながら女王はトランプとペンを取り出し、なにを書こうか思案する。
こう、女王のアリスへの愛が分かるような内容がいい、と思ったけれどあまり思いつかない。
「シロウサギは、誰に化けてるんだろうね。」
「知らないわ。あなた知らないの?」
チェシャ猫はにんまりしながら何かを考えるようなそぶりを見せた。珍しいこともあるものだ。
「そういえば、会ったときにユキノと言っていた。」
「ユキノ?」
「そんなのは、いないよ。」
ならばそれなのではないだろうか。女王は良くは知らないし、それをアリスに教えるわけにも、いかなかったのだけれど。

"気づき損ねている もうひとつの真実は 目の前に"

「で、僕はこれからどうされるんだい?」
「うるさい猫がアリスのそばに居ると邪魔だから、わたくしの城に入れてあげるのよ。」
「それはそれは、珍しく親切だね。」
猫はにんまりと笑う。
「でも、だれがアリスを守るんだい?」
「あなたには、体が居るでしょう。説得しなさい。」
あなたが歪んでしまうなんて嫌よ、そういう代わりにぎゅっと猫の首を抱きしめる。
「女王、苦しいよ。」
猫は笑いながら不満げに言った。
「カラダには耳が無いんだよ。どうやって説得するんだい」
「あなたの体でしょう。勝手にして」
「カラダには体の考えがあるんだよ」
「知らないわ」
猫はにんまりと笑ったまま返事をしない。
「結果的にアリスが元気になったから良かったけれど、壊れてしまったらどうするの。」
「僕らも一緒に、アリスと消えればいいじゃないか。」
そんなの悲しいじゃない。そういう前に、猫がまた、にんまりとする。
「泣くのはお止め。 僕は首だから抱きしめてあげられないよ。」
そんなのいらないわ、と答えられなくて、少し涙ぐんだ。
作品名:お菓子みたいに甘い 作家名:まりみ