そんな関係
「ねえ、新羅。運び屋は?」
「仕事だよ。君が回してきたんだろう」
「そうだっけ?」
「そうだよ。白々しいな、まったく」
少しだけ不機嫌そうな顔になる新羅。セルティと過ごす至福の時間を裂かれてしまったことを根に持っているらしい。
そんな新羅を興味なさそうに見やり、そしておもむろにその頬に手を添えるとそのまま唇にキスをする。
「……じゃあさ、いっぱいキモチイイコト、しよ」
「まったく、君はどうしてそういう事しか頭に無いんだい?」
目を細めて囁く臨也に、新羅はあきれ顔で言う。
今日セルティがいない事を知って現れたのだってそういうコトに及ぶためだったのだろう。
「だってオトコノコだし。
仕方ないじゃん、新羅に欲情しちゃうんだから。俺だって女で事足りるならそうしてるよ。」
悪びれる様子など無く新羅の服に手をかけながらそう言う臨也。そのまま新羅の体をソファに横たえると、今度は首筋にキスを落とした。
「仕方ないなぁ、付き合ってあげるよ。
そのかわり、目立つ所に痕付けるのはやめておくれよ」
「分かってる」
「……それと…………」
「ん………?」
「優しく、抱いて」
臨也の頭を両手で抱いて耳元で呟く。
それには頷き、新羅に深く蕩けるような口づけをした。