時間を越えて
俺は、いつの間にかイギリスに片想いしていた
いつかなんて知らない
独立前から好きで、大好きで
壊れてしまいそうなほど
好きだった
だから、どんなイギリスでも受け止めたい
どんなきみでも……
その日は、これ以上ないってぐらい晴れ渡っていた。
こんな日は買い物をしようと思い立つ。
買い置きのハンバーガーやジュースにアイスを大型ショッピングモールで買って、週末を過ごすとウキウキしていた。
家に帰ってきて、食料品を冷蔵庫に詰めて『さぁ、新作ゲームを!!』と意気込んでいたら、トニーが俺を呼ぶ。
『何事だい?』と思い、トニーのいる部屋に行く。
そこにいたのは、何だか凄そうな機械とキーボードを打つトニー。
「トニー、これ何だい?!凄いんだぞ!!!」
大声で感動を表現する。
トニーは、キャスター付きのイス語と振り返った。
イスから立ち上がり、『凄いだろ!』そう言っている様にトニーが胸を張る。
トニーが言葉を紡ぐ。
「オレイ、イツモノ、オレイ」
「お礼?…何の?」
「イツモ、げーむトカサセテクレル、オレイ」
「そんなのいいのに!まっ、ヒーローだから当然なんだぞ!!DDDD!!!」
「オレイハ、『たいむ・とらべる』」
それを聞いて、興味が湧く。
時間旅行。
SFみたいで凄い!
「本当に!どの時代なの!!」
「ソレハ、あるふれっどシダイ」
その台詞に間抜けな声が出た。
「へ…?」
『俺次第』の言葉が頭の中でぐるぐるする。
つまり、行きたい時代を選べと?
困ったことが一つ。
行きたい時代がない!!
未来でも俺はヒーローなんだし、かといって過去は…触れたくない傷が多々。
うんうん唸っているとトニーが『イツデモ、イイヨ?』と言ってくれた。
とにかく早めに決めてしまおう!!
だが、そういうのに限ってなかなか決まらない。
『どうしよう、どうしよう』と内心オロオロしつつ、トニーへの申し訳ない気持ちも募る。
そうこう、してるうちに一か月が過ぎた。
半ばどうでもよくなってきた、そんなある日
変わった面子で料理を食べに行くことになった。
メンバーは、イギリスとフランスとスペインそして俺とカナダとロマーノ。
何でこの面子かというと、理由は以下の通り。
・スペインは、イギリスと喧嘩してしまうので、仲介でフランス。
・ロマーノはイギリスがダメ、だが俺やカナダ、フランスは平気。
・イギリスは行きたくなかったけど、無理矢理フランスに嵌められた。(何したんだろ?)
・俺は楽しければそれでいいと言ったら、カナダが「付いてくる」の一点張り。
・フランスは昔の事を話したいし、騒ぎたいというので。
・カナダは、俺のストッパー兼フランスが『俺の癒しを奪わないで!!』と呼んだ。
以上。
ふざけてるよね、この内容。
まぁ、とにかくこのメンバーで『居酒屋』に来た。
場所は、アメリカ。
俺の国!近頃、俺のマイブームなんだ!!日本文化!!!
お店の名前は、何だっけ?……『竹林』。
今度、日本に『竹林』の意味を聞こう。
通された個室は、6人には少し広い。
どうせ、酒で潰れたおっさん3人が寝転がるのだろうけど。
その時だった。
「ちょっと待ってよ、何でイギリスが俺の前なの?」
「はぁ?俺は横のヤローの汚ねぇ面、見たくねぇんだよ!」
「え゛ー!お兄さんの顔は、醜くないの!!美しすぎるの!!」
「うるせぇ、ヒゲ!毟り取るぞ!!」
「いやーーー!ちょっとトーニョ!!お兄さんを助けて!!!」
「いやや!わい、眉毛好きやないし!!何より、そいつ見るとムカつくわぁ!!!」
「はっ!俺だってテメェが嫌いだよ!!間抜けな面しやがって!!!」
「それは、お互い様やろう!!!」
「あ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「殺るか、ゴラァ!!」
「上等だ!こんの糞トマト!!」
「もう、やめなさい!!!」
「「黙れ」」
おっさん3人が目の前で下らないケンカを始める。
下らない。
この人たちホントに大国なのだろうか?
馬鹿らしい。
「ねぇ、アルは何を頼む?」
「え?」「は?」
俺とロマーノが頭に『?』を浮かべる。
カナダは、にこやかな笑みでメニュー表を持っていた。
「カナダ、君ってさらりと酷いんだぞ」
「そうかなぁ~…でも、終わりそうにないなら…ほっとくのが手だよ…」
「カナダ黒い!黒化してる!!フランス見たら泣いちゃうんだぞ!!!」
「え?」
いつものカナダに戻った。
よかった。
黒いカナダは、なんだか禍々しいから。
だけど、あきないなぁ~おっさん達。
「おい、アントーニョ!いい加減にしろ!!腹が減ったぞ、コノヤロー!!!」
スペインに向かって堂々と言い放つロマーノ。
するとスペインが苦笑いする。
「そうやな…よっしゃ!食うでーーー!!」
「アーサーさんもフランシスさんも何か頼みません?僕もお腹すきました」
「俺もーーーー!!!」
「年中腹減ってる野郎のくせに、よく言うぜ…」
「はははははは!ヒーローは、タフなのさ!!」
「ワケわかんねぇよ!!」
いつも通りの会話をしながら、メニュー表を見る。
フランスはカナダと何か楽しそうに話し、俺は二人をからかう。
スペインがフランスをからかえば、ロマーノが彼をからかう。
イギリスをからかうと殴り合いに発展しかけるけど、カナダが止める。
いつの間にかそうこうしてるうちに、場の雰囲気は和やかとなった。
しばらくして、イギリス・フランス・スペインがほろ酔いになる。
そして3人に対してカナダが不思議そうに聞く。
「そういえば、アーサーさんとアントーニョさんは昔、闘ったんですよね?」
「せやで」「おう」
「皆さん、昔ってどんな感じでした?」
「……昔の」
「俺ら…」
「……………言い表しにくいなぁ~」
3人とも押し黙る。
ふと次の瞬間。
「昔のわいやろ?…あぁ、やんちゃやったなぁ~…突っ込んで、怪我しての繰り返し」
「昔のお兄さんは……今と変わらず愛をk「黙れくそひげ」
「ちょっと!お兄さんの人権無視!!」
「はん!!」
「昔のあんたは、酷かったでしょうが!!」
「せやなぁ~、あん時のおまえは…グバァァァ!!!」
「アントーニョォォォォォ!!!」
スペインの吐血にロマーノと俺が驚く。
「吐血するくらい、酷いってことかい!!!?」
「黙れ!少しやんちゃだっただけだ!!」
「どこがよ!どこが!!あんた、悪魔だったわ!!!あの時代!!!!」
「そこまで、酷かったんですか…?」
カナダが絶句する。
イギリスは、ふんと鼻を鳴らす。
「せやなぁ……ゲフ…あれは、悪魔や…この世の悪魔や…」
「うっせーな!テメェがうちの子分の女に、馴れ馴れしくしたからだろうが!!!」
「ええやないか!それにお前、ドSやったやん!!笑よったやん!!!楽しそうに!!!ゲブゥゥゥ!!!」
「おい!もう喋んなよ!!お前、貧血で死ぬぞ!!コンチクショー!!!」
ロマーノが半泣きでスペインに付きそう。
フランスも泣いている。
イギリスさぁ~、昔、何をしたよ…何を!!
俺の脳裏にあの言葉思い出す。
――タイム・トラベル
そうだ!
そうだよ!!
昔のイギリスを見に行こう!!
どうせ、大したことないだろう?
だって、この3人組だし。
それに俺は、ヒーローだしね!!
「トニー!トニー!!」
いつかなんて知らない
独立前から好きで、大好きで
壊れてしまいそうなほど
好きだった
だから、どんなイギリスでも受け止めたい
どんなきみでも……
その日は、これ以上ないってぐらい晴れ渡っていた。
こんな日は買い物をしようと思い立つ。
買い置きのハンバーガーやジュースにアイスを大型ショッピングモールで買って、週末を過ごすとウキウキしていた。
家に帰ってきて、食料品を冷蔵庫に詰めて『さぁ、新作ゲームを!!』と意気込んでいたら、トニーが俺を呼ぶ。
『何事だい?』と思い、トニーのいる部屋に行く。
そこにいたのは、何だか凄そうな機械とキーボードを打つトニー。
「トニー、これ何だい?!凄いんだぞ!!!」
大声で感動を表現する。
トニーは、キャスター付きのイス語と振り返った。
イスから立ち上がり、『凄いだろ!』そう言っている様にトニーが胸を張る。
トニーが言葉を紡ぐ。
「オレイ、イツモノ、オレイ」
「お礼?…何の?」
「イツモ、げーむトカサセテクレル、オレイ」
「そんなのいいのに!まっ、ヒーローだから当然なんだぞ!!DDDD!!!」
「オレイハ、『たいむ・とらべる』」
それを聞いて、興味が湧く。
時間旅行。
SFみたいで凄い!
「本当に!どの時代なの!!」
「ソレハ、あるふれっどシダイ」
その台詞に間抜けな声が出た。
「へ…?」
『俺次第』の言葉が頭の中でぐるぐるする。
つまり、行きたい時代を選べと?
困ったことが一つ。
行きたい時代がない!!
未来でも俺はヒーローなんだし、かといって過去は…触れたくない傷が多々。
うんうん唸っているとトニーが『イツデモ、イイヨ?』と言ってくれた。
とにかく早めに決めてしまおう!!
だが、そういうのに限ってなかなか決まらない。
『どうしよう、どうしよう』と内心オロオロしつつ、トニーへの申し訳ない気持ちも募る。
そうこう、してるうちに一か月が過ぎた。
半ばどうでもよくなってきた、そんなある日
変わった面子で料理を食べに行くことになった。
メンバーは、イギリスとフランスとスペインそして俺とカナダとロマーノ。
何でこの面子かというと、理由は以下の通り。
・スペインは、イギリスと喧嘩してしまうので、仲介でフランス。
・ロマーノはイギリスがダメ、だが俺やカナダ、フランスは平気。
・イギリスは行きたくなかったけど、無理矢理フランスに嵌められた。(何したんだろ?)
・俺は楽しければそれでいいと言ったら、カナダが「付いてくる」の一点張り。
・フランスは昔の事を話したいし、騒ぎたいというので。
・カナダは、俺のストッパー兼フランスが『俺の癒しを奪わないで!!』と呼んだ。
以上。
ふざけてるよね、この内容。
まぁ、とにかくこのメンバーで『居酒屋』に来た。
場所は、アメリカ。
俺の国!近頃、俺のマイブームなんだ!!日本文化!!!
お店の名前は、何だっけ?……『竹林』。
今度、日本に『竹林』の意味を聞こう。
通された個室は、6人には少し広い。
どうせ、酒で潰れたおっさん3人が寝転がるのだろうけど。
その時だった。
「ちょっと待ってよ、何でイギリスが俺の前なの?」
「はぁ?俺は横のヤローの汚ねぇ面、見たくねぇんだよ!」
「え゛ー!お兄さんの顔は、醜くないの!!美しすぎるの!!」
「うるせぇ、ヒゲ!毟り取るぞ!!」
「いやーーー!ちょっとトーニョ!!お兄さんを助けて!!!」
「いやや!わい、眉毛好きやないし!!何より、そいつ見るとムカつくわぁ!!!」
「はっ!俺だってテメェが嫌いだよ!!間抜けな面しやがって!!!」
「それは、お互い様やろう!!!」
「あ゛ぁ゛ぁ゛!!」
「殺るか、ゴラァ!!」
「上等だ!こんの糞トマト!!」
「もう、やめなさい!!!」
「「黙れ」」
おっさん3人が目の前で下らないケンカを始める。
下らない。
この人たちホントに大国なのだろうか?
馬鹿らしい。
「ねぇ、アルは何を頼む?」
「え?」「は?」
俺とロマーノが頭に『?』を浮かべる。
カナダは、にこやかな笑みでメニュー表を持っていた。
「カナダ、君ってさらりと酷いんだぞ」
「そうかなぁ~…でも、終わりそうにないなら…ほっとくのが手だよ…」
「カナダ黒い!黒化してる!!フランス見たら泣いちゃうんだぞ!!!」
「え?」
いつものカナダに戻った。
よかった。
黒いカナダは、なんだか禍々しいから。
だけど、あきないなぁ~おっさん達。
「おい、アントーニョ!いい加減にしろ!!腹が減ったぞ、コノヤロー!!!」
スペインに向かって堂々と言い放つロマーノ。
するとスペインが苦笑いする。
「そうやな…よっしゃ!食うでーーー!!」
「アーサーさんもフランシスさんも何か頼みません?僕もお腹すきました」
「俺もーーーー!!!」
「年中腹減ってる野郎のくせに、よく言うぜ…」
「はははははは!ヒーローは、タフなのさ!!」
「ワケわかんねぇよ!!」
いつも通りの会話をしながら、メニュー表を見る。
フランスはカナダと何か楽しそうに話し、俺は二人をからかう。
スペインがフランスをからかえば、ロマーノが彼をからかう。
イギリスをからかうと殴り合いに発展しかけるけど、カナダが止める。
いつの間にかそうこうしてるうちに、場の雰囲気は和やかとなった。
しばらくして、イギリス・フランス・スペインがほろ酔いになる。
そして3人に対してカナダが不思議そうに聞く。
「そういえば、アーサーさんとアントーニョさんは昔、闘ったんですよね?」
「せやで」「おう」
「皆さん、昔ってどんな感じでした?」
「……昔の」
「俺ら…」
「……………言い表しにくいなぁ~」
3人とも押し黙る。
ふと次の瞬間。
「昔のわいやろ?…あぁ、やんちゃやったなぁ~…突っ込んで、怪我しての繰り返し」
「昔のお兄さんは……今と変わらず愛をk「黙れくそひげ」
「ちょっと!お兄さんの人権無視!!」
「はん!!」
「昔のあんたは、酷かったでしょうが!!」
「せやなぁ~、あん時のおまえは…グバァァァ!!!」
「アントーニョォォォォォ!!!」
スペインの吐血にロマーノと俺が驚く。
「吐血するくらい、酷いってことかい!!!?」
「黙れ!少しやんちゃだっただけだ!!」
「どこがよ!どこが!!あんた、悪魔だったわ!!!あの時代!!!!」
「そこまで、酷かったんですか…?」
カナダが絶句する。
イギリスは、ふんと鼻を鳴らす。
「せやなぁ……ゲフ…あれは、悪魔や…この世の悪魔や…」
「うっせーな!テメェがうちの子分の女に、馴れ馴れしくしたからだろうが!!!」
「ええやないか!それにお前、ドSやったやん!!笑よったやん!!!楽しそうに!!!ゲブゥゥゥ!!!」
「おい!もう喋んなよ!!お前、貧血で死ぬぞ!!コンチクショー!!!」
ロマーノが半泣きでスペインに付きそう。
フランスも泣いている。
イギリスさぁ~、昔、何をしたよ…何を!!
俺の脳裏にあの言葉思い出す。
――タイム・トラベル
そうだ!
そうだよ!!
昔のイギリスを見に行こう!!
どうせ、大したことないだろう?
だって、この3人組だし。
それに俺は、ヒーローだしね!!
「トニー!トニー!!」