Diary
やはり敵国の人間とは仲良くなれそうにない。
星の巫女は、すべての人間は手を取り合って生きて行けるはず、なんて夢物語を語っていた。
俺はそうは思わない。オーク王国の人間は憎いままだし、そんな奴らと手を取り合うなんて考えたくもない。
これが任務でなかったら、星の巫女とだって頼まれても踊らなかっただろう。
俺は耐え切れなくなり、パーティー会場を飛び出した。
そしてついてきた星の巫女に、俺はペンダントを見せ、両親の話を聞かせてやった。
これは同情を引くのに役に立つだろう。運がいいことに嘘を付く必要もない。
そして、今日のお礼にと巫女たちに町を案内することを提案した。
お礼のお礼…今思うとだいぶおかしい。
それから俺は、両親の仇とやっとまともに再会した。
奴に顔を見つめられたときはひやりとしたが、結局俺がクルクスだとは気づかなかったようだ。
そして、奴は何を思ったのか俺を巫女たちの護衛役に指名した。
明日一日だけ、巫女たちを連れて町に出ることを許可された。
正直、奴が何故俺を信用したのかがわからない。が、構うものか。存分に後悔させてやる。
そして最後には俺がこの手で奴を…
明日は巫女アルル、巫女見習いミラを連れて町に出る。襲撃の予定もないし、大したことにはならないと思うが…