Diary
星の巫女はついに俺たちの待ち望んでいた情報、王の不在をこの俺に漏らした。
直前の襲撃は…予想外だった。その戦闘のさなか、アルルが俺をかばってレオニスの剣を受けてしまった。
まさかアルルが俺をかばうなんて…彼女は大事な星の巫女なのに…
だが、傷は思ったより浅かった。あれなら大事には至らないはずだ。
シャムに罵倒されたこと、アルルの質問に答えられなかったこと…すごく胸が傷んだ。
情報をカーラに聞かれていなかったら、俺は…俺はどうしていただろうか。わからない。レオニスに信用されていないのも当然だったのかもしれない。
あんな風に謝ってしまったのも不自然だったはずだ。バレてないといいんだけど…
俺は…
俺は…いいことをした。そうだ。間違いはないはずだ。
相手はオーク王国、俺の両親を殺した人間でありミファエル共和国の敵だ。
そもそもこれは俺の任務だったんだ。星の巫女に取り入り、信用させ、戦いを仕掛ける好機となる情報を聞き出す…
それなのに…なんでこんなに胸が痛いんだろう。
父さん…母さん…俺は…いったい、どうしたら…