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tremolo

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確かに西部劇の格好をした一十木君は…恰好よさそうな気がする。

「分かりました、そんな感じで一寸考えてみます」

私がそう言うと、一十木くんは安心したような顔をして頬を赤く染めていた。
凄く嬉しそうなのが分かる。
私は一人で音楽を創ろうとしていた事を思い知る。
自分でやりやすい方向を取ろうと勝手にしていたんだ、と反省をする。


とりあえず要望を聴いて、幾つかの案を出す為の時間を貰う事にした。
一ノ瀬さんが戻ってくる時間まで、まだまだ余裕はある。

(焦りは禁物だよね)

一日は二十四時間ある。
効率よく使えば、道は見えてくるに違いない、そう思った。


作品名:tremolo 作家名:くぼくろ