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【ヘタリア】兄さんが消えない理由 マリエンブルク城編2-3

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「ルートヴィッヒ・・・・・。俺は、俺の「元」へと還る。かまわねえか・・?」

声が震えている。
ルートヴィッヒの声も震える。

「ああ、兄さん。「ドイツ騎士団」に帰ってくれ!」


俺は「ドイツ」だ!!
兄さん・・・・・一緒に・・・俺と一緒に・・・・歩いてくれ・・・・。

これからも・・・!!


ギルベルトは剣を受け取った。

一度、剣を天に向ける。

そして、剣先を地面に向け、両手で剣を自分の前に捧げ持つ。


「我、ギルベルト・バイルシュミットは、ドイツ騎士団の要請に応じる。
我は、還る・・・・・・。騎士団の名のもとに。」


騎士たちは立ち上がり、ギルベルトを取り囲んだ。

ギルベルトは、青年と抱き合っている。



兄さん!
兄さん!!


あなたはもう、消えはしない。

あなたの祈りは、皆に届いている!!
あなたが祈りをささげる限り、きっとあなたは存続する。

俺はドイツ。
あなたは「ドイツ」騎士団。

あなたが願ってやまなかった「ドイツ」が俺ならば、俺はあなたを「俺の騎士」
としてたたえよう!

兄さん!!

あなたと俺は、いつも一緒だ!

きっとこれからもずっと。

兄さんが再び消えようとしても、俺はあなたを消しはしない。

あなたはここにいる。

俺のすぐそばに。





兄さんが消えない理由。

確かな証を、俺は今、見つけたんだ。










 


     「兄さんが消えない理由」
           (完)


***************************************


ギルベルトはこの城に滞在し、修復に携わった。
数ヵ月後、マリエンブルクの城は世界遺産として登録された。

ギルベルトの記憶の通り、城は修復され、今にいたっている。



数年後、あるミサが行われた。
マリエンブルクの城で、中世の騎士団の総長の墓が発見され、その遺骸が見つかった。

ドイツ騎士団は城に出向き、荘厳な慰霊のミサがおこなわれた。

第17代ドイツ騎士団総長 ヴェルナー・フォン・オルセルン 

第20代ドイツ騎士団総長 ルードルフ・ケーニヒ・フォン・ヴァイツァウ
第27代ドイツ騎士団総長 ハインリヒ・フォン・プラウエン   


ミサをあげる騎士団の団員の中にギルベルトの姿があった。

祈りは厳かにささげられ、いつまでも響いていた。