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Like a dog 2

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怒り心頭で思わず近寄ってきた相手を、ハリーはがばっと抱きしめる。
ドラコは予想でもしていたのか、別にその突然の行動に驚くことはせず、ただ腕の中でおとなしく相手をにらみつけた。

抵抗しない相手に気分をよくしたハリーは、ドラコの背中を肩から腰に向って手を動かす。
「ねえドラコ、キスしてもいい?」
腰のラインを撫でながら、唇を少しすぼめて相手が顔を寄せてくるのを、ドラコは冷たい視線のまま見つめ返した。

「……ハリー……」
甘い吐息のような言葉をはきつつ、ドラコは相手に腕を伸ばして、朝勃ちか、何か別の意味があるのかよく分からないが、勝手にひとりで盛り上がっている部分を躊躇せず握る。
「―――えっ?ドラコ、いいの?」
ハリーは嬉しそうに、とろけるような顔になった。

「ちっともよくないぞ!!」
手の中のそれを力の限り握りこむ。
「あ゛あっ!いてぇーっ!」
鋭い悲鳴をハリーは上げる。

容赦なく握力を強くすると、ハリーは真っ青な顔になった。
「…………マジやめて。本当に死ぬから、僕は―――」
「ひぃー」と小さな悲鳴を上げつつ、ハリーはあまりの痛さに涙目になって、ドラコに訴えかける。

苦痛に顔をゆがめている相手を見下ろして、ドラコは冷酷に命令するように告げた。
「まず、僕の服をくれてやるから、それを着ろ!そしてそのまま帰れ!ついでに、今夜から僕の部屋に来るな!犬になっても絶対に部屋には入れないからな。あとは、これが一番大切なことだ。僕に気色の悪い言いがかりをつけてくるなっ!―――いいか、分かったなっ!」
そして一層ぎゅっと握る。

「んんー……」
ハリーはあまりの痛さに涙までこぼしはじめた。
「ドラコのサド!君はドSなのかよっ!ひぃ……」
「ハァーリィー?返事は?YESは?」
絶対的有利に物事を進めてご満悦のドラコは、相手に同意を強要する。

「……ああ、もう。くそっ!分かったから!だから手を放して!YESだよ!はいはい、YES、YES!」
もうほとんどヤケクソのようにハリーは叫ぶ。
「しぃーっ…。あと、まだ朝早いから、静かにしろよ」
ニヤッと人の悪い顔で「フフン」と鼻先で笑って、ドラコはやっと手を離した。

「まったく、不能になるじゃないか……。ああ、危なかったー」
痛さに縮み上がって、青くなっているものを撫でながら、ハリーはひとりでぶつくさと文句を言う。

ドラコはクローゼットの中を引っ掻き回して、服を投げてよこした。
「それを着ろよ」
ハリーはベッドの上に散らばった服から、白い下着を嬉しそうに手に取る。
「ドラコのブリーフ~♪」
「ああ安心しろ。それだけは『新品』だ」
「ちえーっ!」
ハリーはふて腐れて、ほほを膨らました。

ドラコの私服に着替えると、窮屈そうに身をよじる。
「ちょっと僕にはサイズが小さいかなー」
またハリーが余計なことを言ってしまったようだ。
それでも精一杯大きめの洋服を相手に渡したのだ。
カチンときたドラコは、びしっと指でドアを指差し言い放つ。
「お前はさっさと帰れ!犬は外だっ!」
「はいはい、分かりましたよーだ」
舌をベーッと出しながら、ガキのような顔をして悪態をついて、ハリーはドアへと向った。

すれ違いざまに、ドラコの肩に手を回すと、チュッと軽く唇にキスをする。
「またお前、この!」
ムカムカして殴りかかろうとするドラコからひょいと身軽に避けて、余裕で笑う。

「……1週間だよ、ドラコ。根性なしで、甘ったれの君が我慢できるのは、きっとそれぐらいだ」
「な…、なんだそれは!いったい何のカウントダウンを言っているんだ、ハリー!?」
「僕がいなくても我慢できる期間はそれぐらいさ」
「バーカ!!!いったい誰がそんなこと思うか!自惚れるのもいい加減にしろよなっ!このアホハリーめっ!」
怒りで真っ赤になっている相手を見て、笑いながらハリーは捨て台詞を吐く。

「まあ、君の我慢がそこまで持つといいけどね、ドラコ。じゃあ一週間後にまた遊びに来るよ」
ドアを出て行く最後にハリーは「チュッ」と投げキッスをすると、ドラコはたまらず身近にあった枕を掴み、それを相手にめがけて容赦なく投げつけた。
しかしそれより一瞬早くハリーは部屋からとんずらして、枕はドアに当たって下へポトリと落ちる。

「くそバカハリーめっ!お前なんか、死んでしまえっ!」
ハーハーと肩を怒らせ、閉じられたドアに向ってドラコはそう怒鳴ったのだった。


作品名:Like a dog 2 作家名:sabure