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結界師 小さい良守と火黒 他

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 兄と弟と妖と
 
「ただい…」
 まといいたかった良守。だが、その言葉は発することが出来なかった。
理由はひとつ。
目の前に自分の兄がいたから。

「おかえり、良守」
「…あに…き」
「聞きたい事があってね」
「なんだよ…」
「…その後ろの奴の説明をしてほしくてね?」
「え、後ろ…って」
 言葉と同時に良守は抱きつかれた。
「おかえりー。良守〜」
「ただいま、火黒」
「ちゃんと、留守番してたよ」
「…留守番って。お前なぁ」
「いいじゃん。ちゃんと言いつけ守ってたんだし」
「はいはい…」
 といつものように会話をしていた良守はそこに正守がいることを忘れていた。ある意味殺気のようなものを感じた良守は、後ろを向いた。
「あ…」
「説明してもらうよ? 良守」
「……」

 何も言わずに笑っているようで笑っていない正守に良守はため息をつくしかなかった。