水風船
ゆら、ゆらり、と。
リズミカルとは言い難いけれど、それでも一定のリズムで並んだ紅い林檎飴が揺れる。
「そんなに多くないですね、人」
僕は右側を歩く臨也さんを見上げた。
「まあ、小さな祭りなんてこんなもんだろうねえ」
左手に持った林檎飴をくるりと手首を使って回しながら臨也さんは辺りを見回す。
「臨也さん、飴を振り回さないで下さい危ないですっ」
「ああ、御免ね」
臨也さんはひょいと肩をすくめ、全く心のこもっていない謝罪を紡ぐ。
「というか、何で左手で持つんですか。臨也さんが両効きなのは知ってますけど、何も今そうしなくてもいいじゃないですか」
僕が左にいるんだから、右手で持つくらいの気遣いをしてくれたっていいと思う。
「、帝人くん細かいなあもう」
やれやれと態とらしく首を振る臨也さんにむっとする。
だけどここで怒ったって仕方ない。
折角、臨也さんとここまで来たんだし、と自分を落ち着かせる。
…ここまで、と言っても、ここが何処なのか実は僕には分からないのだけれど。
リズミカルとは言い難いけれど、それでも一定のリズムで並んだ紅い林檎飴が揺れる。
「そんなに多くないですね、人」
僕は右側を歩く臨也さんを見上げた。
「まあ、小さな祭りなんてこんなもんだろうねえ」
左手に持った林檎飴をくるりと手首を使って回しながら臨也さんは辺りを見回す。
「臨也さん、飴を振り回さないで下さい危ないですっ」
「ああ、御免ね」
臨也さんはひょいと肩をすくめ、全く心のこもっていない謝罪を紡ぐ。
「というか、何で左手で持つんですか。臨也さんが両効きなのは知ってますけど、何も今そうしなくてもいいじゃないですか」
僕が左にいるんだから、右手で持つくらいの気遣いをしてくれたっていいと思う。
「、帝人くん細かいなあもう」
やれやれと態とらしく首を振る臨也さんにむっとする。
だけどここで怒ったって仕方ない。
折角、臨也さんとここまで来たんだし、と自分を落ち着かせる。
…ここまで、と言っても、ここが何処なのか実は僕には分からないのだけれど。