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【けいおん!小説】 水の螺旋 (第四章・真理) ・上

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 薬を飲んだ後の唯の異変に、みんなは驚いた。身体は震え、瞳の焦点は定まらず、汗を流しながら息を荒くしている唯。誰もがこんな風に唯の様子が変わるとは思ってもみなかった。和でさえ、唯がこうなるとは具体的に予想していなかったろう。
「唯、大丈夫か!?」
 澪が声をあげた。唯は澪の方を向いて、瞳孔を開かせた。まるで、聞いてはいけない声を聞いてしまったかのように、驚愕した表情を浮かべている。
「お姉ちゃん、どうしたの!?」
 憂が心配して、唯に近づいた。そして、唯の背中に手を触れようとした瞬間、
「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
 唯が絶叫した。その瞬間、爆風が飛んだ。憂は吹き飛ばされ、身体を強く壁に打ちつけた。テーブルやその上の食器類も吹っ飛ばされた。食器は壁にぶつかってことごとく割れた。テーブルは唯の前方の窓ガラスにぶつかって、ガシャン!というけたたましい音を出してガラスを割った。

 唯はふと我に返った。そして、惨状を目の当たりにした。傍らには、妹の憂がぐったりと倒れ込んでいる。唯はすぐ、この惨状は自分がもたらしたものであると気づいた。唯は恐くなって、立ち上がりその場から逃げ出した。裸足のまま家を飛び出し、夜道を駆けていった。