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Open the door

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照明が落ちたうら寂しい壁にドラコを押し付けると、いきなり腰を抱いてきた。
突然伸びた手がウエストあたりに巻かれて、しかも腰まで寄せてきて、ドラコは声を驚いた声を出す。
「んなっ!何するんだっ!!」
顔を真っ赤にさせ、相手から逃れようとして暴れ始める。
ほほを張り倒されそうになるのをヒョイとかわして、ハリーは飄々とした表情で落ち着いたものだ。
「なにカンチガイしてんの。姿現しで移動するから、こうしているだけだよ。そんなに暴れなくてもすぐに着くから」
「だったら、腰に手を回すな!」
「こうしないと家に戻れないからね。不審者とか泥棒が入らないように、結構頑丈に魔法をかけているから。君だって、到着した途端、壁と激突したくないだろ?」
「激突はしたくないし、君の家にも行きたくない!さっさと離せ」
身を逸らして逃げようとする相手に
「まぁまぁ、遠慮しなくていいから」
などと、ハリーは気軽に呪文を唱えた。

その途端、ふたりの立つ木の床がグニャリと歪み、空間がひずみを帯びて、大きくなっていく。
そして細い管に強制的に吸い込まれていく感じは、何度も経験しても窒息しそうになり気分が悪くなる姿現しの特徴的なソレだった。
ドラコは逃れようと必死で抵抗したのだが、結局そのチューブに飲み込まれてしまいながらも、最後にはこう叫んだ。

「くそーっ、少しは人の話を聞けっ!!」


■続く■
作品名:Open the door 作家名:sabure