Who?
7日目の晩、レイルとロイはいつものように、同じ部屋で寝ていた。
レイルが寝静まった後、ロイは静かに起き上がり枕の下に隠していたナイフを取り出す。
足音をたてないようにレイルのベッドに近づく。
そっとそっと近づき、レイルの顔が見えた。
いつ見ても綺麗な寝顔。
ロイが唯一愛したエドワードに瓜二つなレイル。
いつの間にかロイはレイルのことも愛しく思っていた。
エドワードの身代わりなのかもしれない。
エドワードにそっくりだからだと思う。
だが、想いは今にも溢れそうな程ふくらんでいた。
俺もすぐ後を追う。
一人にはしない。
いや、違うな…
もう一人にはしないでくれ…
すまない…
愛している――
ロイがナイフを振り上げた瞬間、
レイルはゆっくりと閉じていた目を開いた。
「ロイ」
「っ!!」
ロイはナイフを振り上げた状態で動けなくなってしまった。
殺されるかもしれないという状況でレイルは冷静だった。
レイルはまっすぐにロイを見つめる。
「ロイ、殺していいよ。」
「!!!!?」
「俺を殺して。」
「くっ・・・」
「なんで泣いてるの?」
「・・・・レイ・・ル」
レイルは左腕を軸に状態を起こす。
そして不自由な右腕をゆっくりとロイの頬に伸ばす。
そして震えつつも頬に手を当て、ロイの流す涙を懸命に拭う。
それでも流れ続けるロイの涙。
レイルはそっとロイを抱きしめた。
「泣くなよロイ…」
カランカラン…
ロイの握っていたナイフが床に落ちていった。
そして力なくロイの腕が垂れ下がる。
「ロイごめんな…」
「悪いのは俺だ…」
「ううん、ロイは悪くない。悪いのは全部俺だから。
レイル・カインを殺すように依頼したのは俺なんだ。」