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【ヘタリア】 【悪友トリオ】 「すずらんの花を君に」

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ギ「トーニョ・・・お前さあ・・・・抜け出したことあるだろ?」

ア「うん!もちろんや!」

ギ「かーーーー!!ただ出て行くなんて、なんのひねりもなくて、つまんねーよ!!
せめて、白衣着て医者に化けるとか、掃除人に変装するとか・・・・なあ、変装しようぜ!変装!!そんでフランシスを華麗に脱走させるんだよ!」

ア「そんなん、衣装代も手間もかかるやん。逃げるんは一緒なんやから・・・・・」

フ「二人とも・・!!お話中、実にすみません・・・・。あと5分で上司、ここに戻
ってくるんだけど・・・・。
  俺、出来たら明日中にはパリは抜け出さないと・・・・!!」

ギ「ああ。じゃあ、今夜決行な。」

フ「今夜?!ッ無理無理!!ギルちゃんたちがここに来るまでに面会時間過ぎちゃうじゃない?!」

ア「あーーー!今夜は無理か。じゃあ、明日の面会時間ぎりぎりに行くわ。なんかいるか・・・あ、着替えやな。パジャマやろ?服やら持っていかんとな。靴とか、片足だけでええな。」

ギ「げーっ!けっこう荷物いるじゃねえか!パリからディジョンに行くんだろ?
鉄道で行くにしろ、車で行くにしろ・・・・俺、派手なカーチェイスとかやりてえな。」

フ「ギルちゃん・・・・お願いだから映画みたいな話にするのはよして・・・!!
目立たず騒がず、こっそり抜け出したいのよ!!
ミュゲの日が終わったら、すぐに帰ってくるつもりだし・・・・。」

ギ「まあ、とにかくすぐに行ってやっよ。着替えと靴、お前んちから取ってきて、そこに持っていきゃいいんだろ?消灯時間になったら、着替えて抜け出せよ。そっからは俺たちでなんとかする。」

フ「うん!お願い!!待ってるから!!じゃあ、上司来たから!!またね!!」

フランシスの野郎、ガシャーンと、派手に切りやがった。
あれ?トーニョの電話も切れてるし・・・?
まあ、仕方ねえ、悪友のよしみだ!
ケッセセセ!!行ってやろうじゃねえかよ!
面白そうだし。

・・・・・・ひまだしな・・・・。

お?トーニョからまた電話?

「ほいほい、なんだよ?」
「あんな、俺明日の朝出るけど、プーちゃんは何時頃に着くん?
そっちの方が着くの速いやろ?なら、ディジョンまで行く算段、しとおて欲しいねん。」
「わかった。やっとくぜ。お前にしちゃすげえ速いな!俺は・・・今から準備して出たら・・・そうだなー、パリにゃ明日の昼過ぎくらいに・・・つくかな?」
「んなら、先に行ってるわ。俺、今日出張だったんよ。ちょうど用意してて良かったわー。」
「・・・・なあトーニョ?」
「なんや?」
「出張ってえことは、ひょっとして「お仕事」だったんじゃ?」
「そうやで。ちょっとイタリア行って、それからアメリカまで行かなあかんかったんよ。
まあ、後でもいいやろ。フランシスのとこ寄ってから行く言うとけば。」
「・・・・えーと・・・その・・・老婆心ながら・・・お前・・仕事、先にしたほうがいいんじゃね・・・?」
「んやあ、なんか面倒な仕事になりそやったからな。こっちのほうが面白そやろ?
こっち、片付けてから行くわ。」
「・・・・お前の仕事相手って・・・かわいそうな・・・・。」
「なんでや?ちょっと待ってくれれば、仕事行くやん。ケセラ・セラって知らんか?」
「知ってる・・・・『なるようになれ』・・・・。」
「お、わかってるやん!なあ、「なるようになれ」、やろ?」
「ううう・・・。まあ、いいか。全部フランシスのせいだ!」
「ほんなら、パリでな。パリ北駅の前で集合しようや。」
「おう、わかったぜ。着いたら連絡いれる。」
「ほなな。」

電話を置いたフランシスは、ほっとしながら、松葉つえをつきながらベッドへと戻る。


  ああ、ありがたい!こういう時に、持つべきは悪友だよね。
                だって、厄日が続いているのか、俺の友人たちは、どういうわけか出張とか、親戚          の          の結婚式とかでパリにいないんだもん・・・・・・・。
  もう助けを求めるのは彼らしかいなかったわけね。
  しかし、ほんとにニートのプーちゃんはいいとしてアントーニョ・・スペインよ・・・。
  仕事ほっぽいて来て大丈夫なのか・・・・?
  お兄さんは、ちと心配だけど・・・・それよりも何よりも、ディジョンに行きたい!!
  なにがなんでも行きたい!!
  マリーの「国」があった所へ・・・・・・・・。
  マリーが・・・・彼女が俺を呼んでいるから・・・・夢に見たと思うんだ・・・・・。

  思い出は容赦なく俺を痛めつけて、連日眠れない日が続く。
どこからか、俺を呼ぶ君の声が聞こえる気がするんだ・・・・。
俺を呼んでる?
ああ、俺の都合のいい、思い込みだろうか・・・・。
でも、夢の中で、君はいつも、あのすずらんの花畑の中にいる。
   

  だから、どうしても行きたいんだ!!
  君の「国」があったところへ!







電話を切った数分後に上司が病室に入ってきた。
さらに山のような書類が積み重なる。

「これを・・・全部俺がやるんすか?」
「君の仕事だろ?君がやらんでどうするんだ?」
「いえ・・・・・・いつもよりも数倍多いような・・。」
「いつも本来は君がすべき仕事を他の者がやっているんだ。こういう時こそ、君がすべきだろう?まあ、ゆっくりやりたまえ。当分入院らしいからな。」
「それは・・・ありがたいお言葉で・・。」
「私は、会議があるので、失礼するよ。秘書があとで書類を取りに来るからそれまでにこれは仕上げておいてくれたまえ。」

上司が忙しそうに出て行った。


仕上げておいてくれたまえ・・・・!
いーえ!仕上げるのはまたの機会に!!

お兄さんは、ちょっと自主休暇に行ってまいります!!
役所のみなさん、しばし、アデュー!!
そんなに真面目にやってたら、バカンス前に全部仕事終わっちゃうでしょ?!
明日出来ることを今日、やるな!
が、モットーなのよね。
がつがつすんのは、パリジャンには似合わないのよ!!


と、思ったんだけど、なんと上司、会議が終わったとたんに俺の病室においでなさった!!
結局、夜まで仕事しちゃった・・・・・・。
これなら・・・・・きっと半年分はやったよね!!もう絶対に抜け出すからね!!

やっと帰っていった上司を見送る。
日本だったらこういう時、なんだったっけ?
砂糖・・じゃない、塩をまくんだよね?!もう二度と来てほしくない相手の後ろに。
それにしても、なんで塩?
・・・・・・まあ、いいや。



よし。ともかく、これでパリを抜け出す算段はついた。
2か月も病院でかんづめで仕事したら、しかも上司の監視付きでなんて死んじゃうよ!

それにねえ・・・ここだけの話、あの上司の再婚相手・・・・俺を見る目が尋常じゃないのよね・・・。
うぬぼれとかじゃなくて・・・・・やばいのよね・・・・・!
俺、このままだと襲われちゃうわ!
上司の奥さんと不倫?!まっぴらだ!
こういうには逃げるにかぎる!
まあ、後で抜け出したことは怒られるだろうけど、いいや。

とにかく、夢の中であれだけマリーが呼んでるんだ!!
俺が行かなくてどうするの!!