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【ヘタリア】 【悪友トリオ】 「すずらんの花を君に」

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明日ね!明日の消灯時間になったら決行よ!!

「フランシスさーん!消灯でーす!!」
「はーい、ボンヌ・ニュイ〜!子猫ちゃんたち!!」


夜は更けた。さあ、寝よう・・・・!!


今日も、君の夢を見るのかな・・・・・。
小さなマリー・・・・・・・・。

あの時、君は「俺」よりも栄えていて、ヨーロッパは「君」が中心に回っていた。
華やかな美しい、そして、豊かな豊穣の地。
ああ、マリー・・・・。
君のその美しい姿が見られなくなるなんて、俺は思ってもいなかったんだ・・・。


どうか、俺を許してほしい・・・・・・・。
あのすずらんの花畑は今も君の家にあって、優しい香りがそこらじゅうに漂っているのだろう・・・・・。
君の姿そのものに、美しいあの「公国」。

マリー・・・・・・・。
俺を呼んでいるんだろう?
あれから君の声が俺の耳から離れないよ。

会いたいよ・・・・・マリー・・・・。
君に会って、謝りたい・・・・。
   
俺は行くよ・・・・なんとしても君のところへ・・・・。
どうかそれまで・・・・待っていて・・・・・・・・・









翌朝、もう見たくない顔が現れた・・・・。
俺、まだ洗顔すらしてないのに・・・・・。

「あの件はどうなってる?聞いてるかね?フランシス君?」
「うわっ!はい!ええっと、どこいったかな・・・・。」
「しっかり頼むよ。なんせ、君がつかまるなんて滅多にないことだからね。この際全ての懸案を片付けてしまおう。」
「・・・・そんなすぐにやらなくても・・・・。」
「何か言ったかね?」
「いえ、なんにも!ええと、あの書類どこですかねえ?」


何度も戻ってくる上司をなんとか病室から追い出して、アントーニョとギルが来るのを待ってるんだけど・・・・・・。

来ない!!
ああ、まだ昼なのよね。彼らが来るのは面接時間の終わるぎりぎり。
  わかっちゃいるんだけど・・・・・・。
早く来てくれーーーーーーー!!我が最後の望みよ!!希望よ!

上司、昼飯が終わったらまた来るって言いやがった!
なんでそんなに仕事好きなんだ!!
お前は本当にフランス人か!!
あ、いや、彼は確かエリザちゃん家の出身だったよな・・・エリザちゃんちってあんなに勤勉だったけ・・・・・?
まあ、いいや。今度彼女に聞いてみよう・・・ついでにデート・・・・ってギルが泣くか・・。フライパン、飛んでくるのもやだし・・・・。うーん。顔と体は最高なんだけどな。とにかく彼女、強いのよね・・・・ひょっとして俺よりも強いのかな・・・。ギルちゃんに聞いてみよう・・・・・。

あー!もう早く来て―!!
車椅子もってかれちゃったから、杖しかないし!
杖ついて歩いてたら、また看護婦さんに見つかって、病室に戻されちゃうんだろうな・・。
なんか俺に口説かれない、つわものの看護婦さんばっかりしかこの病院にはいないのね。
俺対策?
うーん・・・・・女の子が口説いてもなびいてくれないってのは自信失くすよね・・。
やっぱり、口説いてこそ、パリジャンって感じじゃん!
あいつらが来てくれるまで、誰か口説けるかどうかやってようかなー。
・・・・・それとも、一応おとなしく休んでおこうか・・・・。
もしギルちゃんが悪乗りしたら・・・まさかと思うけど本気でカーチェイスとか・・・・いやいや、そんなことには・・・・ならないよね?!

ちょっと心配だから、いまのうちに休んどこう・・・・・・・・。
こういう嫌な予感ってあたるものなのよね・・・・・。






「さあってと!!」

ギルベルトは、ネットでパリ行特急を予約すると、弟へと電話を入れた。

「よお!ヴェスト!あ、すまん会議だったけか?俺、ちょっと「ひげんとこ」行ってくるからよ!ああ、泊まりになる。あ?おお!買ってくるぜ!ん、じゃお前も頑張れよ!悪かったな、会議中に。」

真面目な弟は何か言いたそうだったが、会議中だったからな。
まあ、後で折り返しの電話がかかってくるだろう・・・・・あまりはめをはずすな、とか、飲みすぎるなよ!とか細かい注意を・・律儀なんだよな・・ヴェストは。
はめをはずしに行くんでなけりゃ、くそひげんとこなんて行くかよ!

さあって、犬に餌やって、窓閉めて・・・・鍵閉めて・・・・。
昼めしは列車の中かあ・・・何食おうかな・・・・。




「ほな、俺、パリ行ってくるから、後よろしゅうな。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!貴方はイタリアに行くはずじゃないですか!!その後はアメリカですよ!」
「ん、まあ、ちょっと野暮用入ってな。イタリアはすぐに行くし、アメリカは・・・まあ、なんとか言って、待たしといてえな。」
「待たすって・・・・待ってくれればいいですが・・・待ってくれない用件で行くはずじゃあ・・。」
「ま、堅いこと言わんといてや!行かないわけやない。すこーしだけ遅れるだけや!ま、なんだったら、そっちが来てくれてもいいん言うといてや。」
「向こうに来い!?アメリカさんにそんなこと言えるはずが・・・ってああ!国家様―――!!」


  めんどい仕事はいつも気がめいるんや。こう、七面倒くさいことが続くとかなわんな。
  フランは一体何をトチ狂って、「脱走」とか言うとるんや?
  まあ、脱走するならするで、きちんと逃亡先は決めとかんとな。
            俺の経験から言うと、堂々として抜け出せば、意外にわからんものなんよ。
さてっと、今からで行っても昼・・・・過ぎるやろか。何か先に食っとこか・・。


 

「よお!トーニョ!早かったじゃねえか!俺のほうが早く着くかと思ったけどよ。」
「はは・・・・ギルちゃん・・・・俺・・・もうだめ・・・。」

アントーニョがぐったりとして、でかい鞄を放りだしたまま倒れ掛かってくる。

「な、なんだ?!どうしたんだよ?!」
「もうあかん・・・・あないな飛行機・・・乗るんやなかった・・・。きっと操縦してたんは、軍人や!!それも、曲乗りのパイロットに違いあらへん!」
「曲乗りって・・・。アクロバット飛行のパイロットか?!何言ってんだ?トーニョ。おい、大丈夫か?」
「あかん・・・・。」

ギルベルトはへろへろのアントーニョを近くのベンチに座らせると、冷たい水をあてがった。

「どうしたんだ?たかが飛行機に乗ってきただけだろ?」
「うう・・・・。それが・・・・うちの列車・・・・まあ、遅れるのはいつものことなんやけど、昨日の列車がやっと今日来たんや。で、駅で乗りたい人があふれてしもて・・・・・・・。仕方なく飛行機乗ったんやけど・・・・。」
「その飛行機が宙返りでもしたのかよ。」
「したん!いや・・・したかもしれん・・・・くらい回るわ、揺れるわ・・・・・!!」
「今日は・・・・・乱気流なんて出てなかったと思ったがよ?」
「乱気流・・・のほうがましだったわ!!ありゃ、絶対に曲芸しとったんや!!
「まさか旅客機でか?たまたまダウンバーストとか避けてたんじゃねえの?」
「うぷ・・・・あかん・・・吐く・・・。」
「えっ?!ちょ、ちょい待て!!ここじゃなくて・・・がまんしろーーーー!!」

真っ青なトーニョを介抱してる間に、俺様ひらめいたぜ!