零時前のヒール
「折原臨也さん、貴方は優秀な情報屋だとお聞きしました」
「……いつかはわかると思ってたけれど、こんなにも早いとは思ってなかったよ。
ふふ、確かに俺は情報屋だけれど、優秀な、とは恐れ多いなぁ。それで?」
「……仕事を、依頼したいんですが」
「あぁ、ウロボロスのことかな? 依 頼 主 に 対 す る 守 秘 義 務 の 為、お 断 り し ま す 」
「そうそう、ちょっと気になることを耳にしてね……。この前話した例のあの子、犯罪組織に情報流してるんじゃないかって、ウワサがあるのよ」
「俺の周りには二人、『ヒーロー』という役目を背負っている人がいるんですよ。あぁ、もちろん一般人ですけれどね。すこぉし、変わった。
ただ、そのかわり誰にも倒せない魔人も一人、いるんですけれど」
「折原臨也が、誘拐された?」
「もしあなたが彼をキースと呼んだのならば、彼はヒーロー、スカイハイとしてではなくキースという貴方の友人として助けたでしょう。
貴方はそれを待っていたのではないんですか?」
「何を言ってるんだよ、それじゃあ意味が無いじゃないか。俺がここに来た理由の一つは彼とただお友達になること、そういうことなんだよ」
「俺にはヒーローなんて要らないんだよ、スカイハイ」
[ 零時前のヒール ]