二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

とある夢幻の複写能力<オールマイティ>

INDEX|11ページ/38ページ|

次のページ前のページ
 

「うん?連れて行かれたみたいだね?」
「奴は何が目的で…」
「…能力体結晶の投与実験?あれは覚えてるね?」
「もちろん。…俺が関わってたヤツですし」
「それを引き継いでるんだよ?…ここまで言えば分かるね?」
「…まさか、あの子達を媒体として春上を…?」
医者は無言で頷く
「昔のアレがある以上、人体実験に関してはどうこう言えないけど…。…止めないと…」
「いいのかい?君は…」
「大丈夫ですよドクター。俺はもう奴らとは絶縁してますし」
そして叶は後ろの部屋に耳を傾ける
「…なんだ、あの四人なら大丈夫だな」
少年はその部屋の扉をノックした
すると扉がひとりでに開いた
「あ、天岡さん」
どうやら涙子が開けてくれたらしい
「もう大丈夫か?」
「ええ」
実は叶は、涙子に締め出されていた
そして叶は中へと入っていく
「御坂、大丈夫か?」
「ええ。…ありがとう…助けてくれて…」
実はテレスティーナに敗れた美琴を救ったのは叶であった
「まあ、その辺はいい。…さて、皆」
叶は4人の少女に訊く
「…行くか?助けに」
答えは全員一致
行く、だった



その日の昼
木山は車を走らせていた
目の前にあるのはMARの輸送車
その中には子供たちが乗せられているらしい
それを追っていた
刹那、その車の貨物部が展開を始めた
その中には駆動鎧がいた
それの持つ銃口が木山の車を狙う
しかし
その駆動鎧は爆発した
ひとりでに爆発したのではない
その場には木山の知る姿があった
学園都市第三位の超能力者が
「全く…」
「手の込んだ悪戯ですわ」
いつの間にか黒子もいる
「君たち、なぜここに…」
「木山せんせー!」
バイクの駆動音と共に声が聞こえる
「この車はおとりです!」
本来は二人乗りであろうバイクに無理矢理乗って、美偉、飾利、涙子がそこにいた
「なんだと…!」
移り変わりの目まぐるしさに唖然としている木山をよそに飾利と涙子は木山の車に乗り込む
ちなみに二人は助手席に乗っている
「急いでください!子供たちはもう目的地についているみたいなんです」
木山は驚きを隠せなかった
しかも花飾りの少女はナビゲートすると申し出てくれている
これに頼らない手は無い
木山はそのまま車を走らせた
その車を美琴と黒子は見送る
そして視線を戻す
そこでは残った駆動鎧たちが立ち上がり始めていた
「さーって、アンタ達の相手は…」
気合を入れなおす二人をよそに、ハイウェイの下からMARのヘリが奇襲をかけようとする
それに唖然として二人は動けない
「…ったくよォ…」
そのヘリに向かって一筋の電撃が飛んだ
「こンくらい予測しとけってンだよ」
その攻撃を放ったほうには叶がいた
「アンタ…遅いじゃな…い!?」
美琴は叶に向かって怒号を放つが、黒子は黙って姉と慕う彼女を空間移動させた
今、美琴はバイクの上にいる
「ここは、わたくし達が引き受けますの。お姉さまは木山春生にお力添えを!」
「…分かった。…ちゃんとついてこなかったら、承知しないからね!!」
「分かってますの…!」
黒子は不敵な笑みを浮かべる
そしてバイクは去っていく
「いいのか、白井」
「いいんですの。…それより、天岡さん!」
「了解!」
二人は文字通り、駆動鎧達に切り込んでいく
そして
友達を取り戻す戦いが、始まる



黒子は大量の金属矢を飛ばして
叶は持ちうる能力を駆使して
それぞれ応戦する
こんな木偶人形相手に手間なんてかからない
増してや叶は攻撃を全く受けてない
「さて、こんなもンか」
「先を急ぎましょう」
「ああ」
そして二人は連続空間移動を開始する
数十回ほど繰り返したところであるものを目にする
「…コレ…」
ハイウェイの一部が陥落していた
しかもその下には…
「固法さん!」
叶はすぐに下に下りた
「大丈夫ですか!?」
「ええ…私は平気」
外傷は少ない
バイクにも問題は無い
そして叶は美偉から事情を聞いた
「…あの野郎…」
「とりあえず、行きましょう」
「ええ」
「俺は空間移動していくよ」
「了解」
二人の少女はバイクに乗り先を行く
それを少年が追いかける
走っていくうちに巨大なワークローダーが見えてきた
「お姉さま…?」
「どうした、白井」
意味ありげにつぶやいた少女に少年が訊く
「…お姉さまに呼ばれた気がしましたの…」
「そうか…なら、言って来い!」
黒子は頷いてその場から消える
「いいの?行かせても」
「ああ。奴らなら大丈夫だろ」
そして数瞬の後、数百mを越える光条がワークローダーを貫いた
「ほらね」
「…あなた、本当に『八人目』なのね…。能力とか、色々」
「今頃ですか?…さて、固法さんはどうします?」
「私は戻るわ。これ以上は戦力にならなさそうだし」
「そうですか」
叶はその場から消え、美偉は来た道を引き返した



第二十三学区・通信システム研究所
そこに彼らはいた
いま、飾利が中央管制室で子供たちを捜している
ちなみにここの警備をしていた人間はすべて美琴が片付けた
そして飾利は場所を突き止めた
その場所へ向かう
そこに子供たちと衿衣はいた
それを見つけ、六人は安堵感に見舞われる
しかし
それもつかの間
なにやら甲高い音が聞こえる
しかしそれは涙子や木山には何の問題も無い
だが能力者である四人は苦しんでいる
キャパシティダウン
それがこの音の正体
「手ぇ…」
突然聞き覚えのある声が聞こえてくる
「やかすんじゃねぇよ!!」
テレスティーナだ
女は肩を支えあっていた常盤台の少女二人を棒状の何かで殴り飛ばした
「お前…生きて…」
叶が振り絞るように声を出す
「ああ、お前。叶、久しぶりだな」
「お前こそ、どこぞでのたれ死んだかと思ってたがな」
なにやら知り合いのように話す二人
それに疑問を持つのは無理も無い
「アンタ達…どういう関係…?」
美琴が訊く
「コイツは私の従弟さ。つまり私とコイツは血縁。コイツには、木原の血が流れてんだよ!」
それを聞いた四人の少女は驚きを隠せない
「本当…なんですの…?」
「…ああ、本当だ」
叶は答える
「だが、もう木原一族とは縁を切っている。母さんが切った。だから俺とこいつに縁はない。あるのは忌々しい血だけだ」
「…それは信じてもいいの?」
「大丈夫だ、信じてくれ。…確かに俺は、色々非道な実験をやってきた。だがそれは望まぬ形でやらされていただけだし、時にはモルモットになったりもした。今では後悔しているさ」
叶はすべてを話した
これが叶の本心
そして懺悔でもある
「だからこの実験は意地でも止める!!」
叶は決意を新たにして叫ぶ
だがしかし
「こんな状況でよくそんなこと言えるなぁ。コレどうにかしねぇと何も始まらないだろぉが!」
「…バカかテメェ…。俺が過去にどンな実験受けてきたと思ってンだよ」
「そんなもん憶えてねぇよ」
「だったらいィや。まァ、頼みの綱はコイツだけどな」
少年は隣にいる涙子の肩に触れる
「今俺が細かい地点で演算できるのはせェぜェ800m前後。この状況じゃ、100mが限界だろォな。まァ、それだけありゃ十分だ」
刹那、涙子がその場から消えた
「佐天!やる事ァ分かってんだろォな!!」



涙子はある場所にいた