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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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とある夢幻の複写能力<オールマイティ>

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少し、昔話をすることにした



俺は絶対能力進化実験に参加していた
いや、させられていた、と言った方が正しいか
木原一族待望の能力者にして、唯一の能力、高速演算、及び複写能力
俺はそんな縁もあり、木原幻生に見込まれて最年少の研究者として布束とともに送り込まれた
お前も布束は知ってるだろ
長点上機の『寿命中断』な
まあ、あれが能力なのかどうかは俺もわからんが
それは置いといて
そして俺は、一方通行の専属の研究員として奴のそばにいた
「今日から君のお目付け役の木原叶だ。よろしく、第一位サン」
その頃俺は、まだ木原性を名乗っていた
何も知らない時期だったからな
「…あァ、お前か。誰が来るかと思ったら、ガキじゃねェか」
「一応同い年だと聞いているが?」
俺は奴の皮肉を一蹴して返した
「オマエ、能力は?その歳なら、能力開発受けてるンじゃねェのか」
「ああ、複写能力。それが俺の能力だ」
何の躊躇も無く話した
まだ能力を隠すほどのレベルじゃなかったからだ
「そォいえばオマエ、木原って名乗ってたなァ。そォか、オマエが八人目に一番近いって奴か」
俺はこの時既に、大能力者だった
それに、それなりに使える能力はあった
だからなのか、そうじゃないのか
俺はその時の能力者の中で、八人目に一番近いとされていた
その半年くらい後に超能力者認定されたんだが、それは裏の話だ
それからずっと、都市伝説の『八人目』として過ごしてきた
「じゃあ、これから第一次実験を始める。ついて来てくれ」
俺は早々と話を切り上げると、奴を実験場へ誘った
そして第一次実験は恙無く行われた
殺すことに関しては、最初は躊躇していたが、次第に奴は慣れていった
俺は『妹達』を「人形」だと思っていたから、こういうことにはあまり異義を唱えなかった
じゃあなんで今は止めようとしているか?
訊くと思ってたよ、そんなこと
それはな、実験から約半年ほど経って、俺が超能力者認定されて間もない頃の話だ
俺は一方通行のお目付け役を離れ、『妹達』のチューニングの仕事についていた
上から出された命令だった
俺は従うだけだ
その時のミサカ…何号だったけ
そいつを社会に溶け込ませるために、初めて外へ連れていった時のことだ
「…どうした」
そいつは外に出た瞬間、固まったように動かなかった
「おーい、どうした」
しばらくして、ミサカは応答した
「…知識では得ていましたが、外の空気がおいしいとは、そういうことだったのですねと、ミサカは感嘆の声を漏らします。これが…外の世界というものなのですね…」
その時俺は、心になにかを感じた
こいつは人形なんかじゃない
蛋白質と、その他薬品で出来るモノなんかじゃない
こいつは…生きてるんだ…
俺は呆気に取られてしまった
「…とりあえず、都市の案内をしよう」
「いいえ、お構いなくと、ミサカは優しく拒否の意を表します。学園都市の地図データは、既にインプットされているのでと、ミサカは学習装置で得られた知識を行使します」
あまり感情のない声で、やんわりと断られた
「…そうか。まあ、時間までには帰ってこいよ」
俺は構う事なく彼女を好きにさせた
そしてすぐ、実験チームを抜ける手筈と、木原の縁を切る作業に移った
あいつらは、殺していいもんじゃない
そう、感じたからだ
それから先は、お前の知ってるとおりだ
素性を隠してもといた中学校に復帰
そして風紀委員になるための試験と研修を一年で突破
一七六支部に配属され、この前一七七支部に飛ばされた
そんなところだ



「…なんか、この前もおんなじ話を聞いた気がするんだわ」
御坂は少し呆れていた
「あれ、お前にするの初めてじゃね?」
「いや、別人だから気にしないで」
どこかで変な話でも吹き込まれたのだろう
そう思うことにした
「…それで、これからどうするんだ」
俺は御坂に訊いた
「…まだやるわ、今晩中に。あと二つあるんだから」
「…あの製薬会社か、Sプロセッサ社か…ってところか」
俺は思い付く実験の施設を思い浮かべた
「…あんた、知ってたの」
「当たり前だ。この実験の元研究者だ。それくらい頭に入ってるわ」
訝しげな顔をする御坂に、俺は言ってやった
「…残りは二基だ。奴らのことだ。何かしら対策を講じて来るかもしれん」
「関係ないわよ。私はこの計画を潰すために動いてるんだもの。それよりもいいの、風紀委員さん?私をとめなくても」
御坂は挑発的な目つきで俺を見てきた
「…俺は何も聞いていないし、止める理由が見当たらないな」
その目に俺は、わざと惚けて見せた
「…そうですか。じゃあ、私は行くわ」
御坂はベンチから立ち上がった
「…気をつけろよ。場合によっちゃ、能力者が来るかもしれんぞ」
場合にはよるが、『アイテム』や『スクール』が…
だが、そんな心配は無用だった
「私を誰だと思ってんの。第三位の超能力者、常盤台の超電磁砲よ」
「ははっ、それは頼もしいかぎりだな」
俺は御坂を送り出した
そして俺も、反対の方向へと歩きだした
見知った道だ
迷うことはないだろう
そう思いつつ、俺はSプロセッサ社へ向かった
施設にたどり着き、入ろうとした瞬間、俺は施設の人間に入館を拒否されたが、偶然知り合いの人間がいたため、事無きを得た
その知り合いは、知り合いどころの人間ではなかった
「Accidentally、久しぶりね、『八人目』。こんなところにどうしたの」
布束砥信だ
俺は彼女と一緒に応接室に案内された
「お前、どうした。何があったんだ」
「Because、学習装置の開発主任として呼ばれた。おそらく、なにかあった時に責任をなすりつけるためでしょう」
淡々と喋っていた
だが俺は、そこに隠れた意図があるのが分かった
「…本当は、それだけじゃないんだろう?」
「Why?何故そう思う?」
案の定だ
そして俺はこう切り替えした
「いつものお前なら、こんなところにそれだけのためにここにわざわざ来ないだろう?それに上には言ってないが、学園都市中にマネーカードをばらまいたのはお前だと聞いている」
これは御坂から得た情報だ
「とりわけ、御坂から全てを聞いた。ならば、あの計画を潰すためのなにかをするためにここに来たはずだ。よって、お前はなにかを隠している。違うか?」
少し俺を見つめたまま、布束は黙っていた
「Excellent、その通り。確かに私はここに、ある目的のために来た。But、それを貴方に言うわけにはいかない」
どうやら正解だったらしい
だが…
「なんで言ってくれないんだよ。別にいいじゃねぇか」
「貴方が私の敵でないという証明がどこにもない」
はい、そうですか
仕方なく俺は、詮索をやめにすることにした
「…とりあえず、俺は手伝うふりをして施設を潰す算段をつけるわ。その間にやりたいことをやれ」
「…分かった」
俺は立ち上がり、部屋を出た
数瞬ほど遅れて、布束も出てきた
そして俺は施設の中を見回り、紙面類のデータの運搬作業を手伝った
布束の知り合いとは言え、流石に見ず知らずの人間にデータを見せるわけにはいかないらしい
うむ、最もらしい判断だが、少し判断を見誤ったようだ
俺は運搬と同時に、地下に潜る通路を探していた
妹達は、この地下で製造されている