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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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とある夢幻の複写能力<オールマイティ>

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美琴もいつの間にかいなくなっていった
「お前ら、先に帰っててくれ」
「は、はいですの」
「分かりました」
二人は支部に戻っていった
それを見送って叶は、木山を追って走り出した
数分くらい走っていると、木山の背中が見えてきた
「木山先生」
「天岡か…どうした」
木山は振り返り、もともとの生徒に訊いた
「先生、あの計画って、まだ続いてるんですか?」
「あの計画…ああ、あれか。あれならまだ継続中だぞ」
「…そう…ですか…」
叶は少しだけ首を落とし、去って行った
「…彼はもう、あれには関与していないのだな…」
木山はそういい残して去っていった




「あァ、だりィなァ」
少年はコンビニで缶コーヒーを買いあさり、そのコンビニを後にしようとしていた
「よお、久しぶりだな」
「オマエ…あァ、天岡叶か」
「そうだ、久しぶりだな、一方通行」
叶は今、学園都市最強の超能力者と対峙していた
「まだ実験は続いてるんだって?」
「あァ。これからまたやらないといけないンだよ」
それでこれ買ってもいいのか?
叶はそういいかけたが飲み込んだ
「…正直、俺はこの実験をいいとは思っていない」
「ほォ…」
「だが今は、お前を止められるとは思っていない」
「よく分かッてンじゃねェか」
「だが…」
叶は不適に笑む
「いつかお前を止めるやつが現れるだろうな」
「…そォか」
白髪の少年は大して気にせずに去っていった
「…多分…あいつが知ったら、絶対に止めるだろうぜ…」
そして数刻後
「実験開始時刻まで残り五分です、と、ミサカは報告します」
赤い目の少年は美琴を面前に退屈そうにしていた
いや、少女は美琴ではない
「あァ、だりィなァ」
そういう間に刻々と時間は過ぎる
そして
「実験開始時刻です、と、ミサカは報告します」
「そォか」
「これより、第九七二五次実験を開始します、と、ミサカは宣誓します」
そして数刻後、実験は終了し、少年は大して気にも留めずに去っていった



「さて、とりあえず白井がもって帰ってきた情報やらを元に木山先生への報告書類をまとめるか」
次の日の昼下がり
黒子は少々乱暴な手を使って持って帰ってきた情報―幻想御手の情報を頼りに、幻想御手をダウンロードし、その報告書類をまとめようとしていた
ちなみにそれを試そうとして黒子と飾利の間でややあったのは別の話
すでに飾利が木山に連絡をつけている
「しっかし…」
叶が顎に手を当てて考える
「このサイトを閉鎖するまでにダウンロード数が五千を越えているとはな…」
「全員が全員使ったわけじゃないと思いますが…」
それに加えてダウンロードできなくなってからは金で売買するというやからも増えている、というのが飾利の見解だった
「その取引場所は分かりますの?」
「ちょっとまってください」
飾利は素早くキーボードを叩く
「はい、場所と時間です」
出てきた書類は山のようにあった
黒子はそれをしらみつぶしに回るらしい
「じゃあ、初春、木山先生に渡す書類とデータの作成を」
「了解です」
そして初春は書類の作成に取り掛かった
「さて、俺は…」
叶は電話を取り、ある番号へ掛ける
それはすぐにつながった
『木山だ』
「あ、先生、少しお話が」
『ああ、天岡か』
そして幻想御手について話し合う
「やはり、あの曲が『学習装置』と同じ力を持つとしても、ちょっと無理がありますよね…」
『ああ、あれは五感全てに働きかけるものだからな。あの曲だけでは、聴覚にしか働きかけない』
そして少しやり取りを繰り返し
『何か分かったら連絡する』
「はい、また」
それで終了する
ちなみに黒子はすでに出ていた
「うし、俺も出るわ」
「はい、行ってらっしゃいです」



「さてと、どうすっかな」
出るとは言ってもやることが無い
「…だが…」
それでも調査をやめるわけではない
「でも小腹が空いたかな」
偶然、丁度よくカキ氷の屋台を発見する
「ブルーハワイ一つ」
注文し、青いシロップのかかった氷を受け取る
それを一口すくい、口へ運ぶ
「うお、氷って言うか、色からしても冷たそうだよな…」
叶は何か引っかかった感じがした
―色…
 感触…
 これ…
「共感覚性…」
共感覚性とは、一つの刺激で複数の刺激を得ること
「なるほど…これなら確かにあれと同じ効果を聴覚だけで得られる」
この考えが正しければ…
それを確かめるために支部へと戻る
余談だが、この共感覚性は数日ほど前に美琴や黒子たちも気づいていた



「そうか、共感覚性というのは盲点だったな」
「ええ、その共…なんとかを利用すれば、音楽プレーヤーだけで学習装置と同じ働きを可能にするんじゃないかって…」
飾利は今、木山のもとに向かっている途中だ
その十数分後
「…まさか、木山先生が犯人とはね」
「そうね、それは考えて無かったわ」
叶、美琴、黒子の三人はカエル医者―通称冥土帰しに呼ばれ、ある病院を訪れていた
ちなみに上条がよくお世話になる病院である
「確かに、この脳波パターンは木山春生のものですわね…」
「強制的に脳波を弄ったら人体の活動に大きな影響が出るね?」
「やはり、それが原因か…」
「共感覚性を利用して幻想御手は学習装置と同様の機能を発揮、そして脳波パターンを木山先生と同じパターンに組み替える…」
そこで3人は同時にあることを思い出す
「「「初春(さん)が!!」」」
すでに飾利は木山に拘束された後だった…



「とりあえず俺は木山先生を探しに行く」
警備員に連絡したところ、木山の研究室はすでにもぬけの殻
データなどを押収しようとしてパソコンを起動した瞬間に全てのデータが抹消されたようだ
「…じゃあ、私も行く」
「それでは、わたくしも…」
美琴は立ち上がろうとする黒子の肩に触れた
「イッ!?」
黒子はそのまま座り込んでしまった
「やっぱりこの前の傷が癒えてないんだな」
黒子は何も答えない
「アンタは私の後輩なんだから、こんなときくらい『お姉様』に頼りなさい」
それに叶も頷く
この後黒子が飛びついてきて美琴が一蹴したのは別の話
「じゃあ、行くぞ」
叶は美琴の肩に触れる
そしてその場から消える
「…あの方は本当に複写能力という能力なのですね…」
それを考えようとしたが、黒子はそれを振り払い、別のことに集中することにした
そのころ
「アンタ、本当に何でも使えるのね」
「コイツは演算が複雑でな、あんまり大きくなければ大丈夫だが、邪魔しないでくれよ」
「分かってるわよ」
そして叶は美琴を引き連れて連続空間移動を開始する
そのころ木山は…
「警備員か…。上から命令があった時だけは、動きが早いな」
『木山春生だな』
拡声器越しに声が聞こえる
「幻想御手頒布の被疑者として拘留する。直ちに降車せよ」
どうやら年貢の納め時のようだ
しかし
「…幻想御手は、人間の脳を使った演算機器を作るためのプログラムだ」
何かあるのだろうか
「だが同時に…使用者に面白い副産物を齎す物でもあるのだよ」
まだあきらめる気はないらしい
木山は車の外に出た
そして頭の後ろで両手を組む
警備員たちはそれを確認すると、木山の確保に向かう
しかし
木山の両目が赤く変化した
その瞬間、警備員の一人が仲間に向けて発砲した