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四年生卒業後を妄想してみた

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それでもやっぱり向こうの方が強いので、だんだん劣勢になっていくA城。滝は、そろそろやばいぜ離脱しようぜ!って久々知に言うんだけど、久々知はまだもうちょっと!って聞かない。あーこの人のこーゆーところをタカ丸さんは好きになったのかなーとか妄想が暴走している滝。そうこうしてる間にもどんどん味方は追い込まれていく。

絶体絶命!ってなったその時、北の丘の上から石火矢の砲撃がズドドドドーン!とB城の軍勢に撃ちかけれる。「佐武鉄砲隊若者組頭、危ない火器が大好きな佐武村のアイドル、田村三木ヱ門参上!」と丘の上で大見得を切るミキティー再登場。「三木ヱ門んんんん!?」びびる滝夜叉丸を後目にバカスカ砲撃をぶち込む佐武衆、その支援を受けてB城の部隊を押し戻し始めるA城。形勢逆転。

一方その頃のB城の本陣。佐武衆の出現に動揺しているB城の人々。どういうことだ、A城に佐武衆を雇うような余裕はないはず、一体誰が!?ってなってるところに伝令が飛び込んでくる。「申し上げます! C城城主・藻部野茂武之進殿、義によってA城に助太刀いたすとのこと!」「なぁにぃー!?」と騒然。

その時、城主の周りにいた護衛役や家臣たちが次々に落とし穴に落ちたり罠にかかったりして身動きが取れなくなる。動けるのは寸前で罠を回避した仙蔵と、綾部だけ。「そうか。間諜は一人ではなかったということか」と面白そうに笑う仙蔵。「なあ喜八郎?」「…………」綾部は無言で城主の首に刀を当てて人質に取る。「C城忍衆蛇隊隊頭・綾部喜八郎、藻部野茂武之進様のご下命により参上つかまつった。ご主君の命が惜しければ、大人しく槍を捨て投降せられたし!」と正体をバラす綾部。

綾部が動いたのを合図に、ぞろぞろ物陰から出てくるC城の忍者たち。包囲されながら、それでも仙蔵は悠然としている。「いや、今回はちょっと驚いた。ずっと潜伏していたのか? 正体を隠して?」「先輩、知ってますか。僕はトラパーなんです。罠っていうのは、仕掛けた後、獲物がかかるまで長い時間を待つものなんですよ」とかカッコ良さげなやり取り。

絶対絶命の筈なのに、余裕綽々な仙蔵。「喜八郎よ。おまえは多分、私を一番よく知っている人間の一人だ」「そうですね」「そのおまえは、私がこの状況を打破できないと思うか?」「……思いませんね。先輩相手じゃ、この程度、追い詰めたうちに入らない。だから――」綾部の言葉尻をかき消すように、仙蔵の頬をかすめてB城の本陣に落ちて来る砲撃。

「投降しないなら、全部もろとも吹き飛ばす手筈になっています」「なるほど。佐武の若者組頭はおまえの同期だったな」うんうんと納得したように頷いて、肩をすくめる仙蔵。「分かった、分かった。今回はおまえに勝ちを譲ろう」と苦笑する仙蔵に、心もちホッとした表情を見せる綾部。ところが、仙蔵はこんなふうに言葉を続ける「見せ場を横取りされるのはいささか業腹だが、本来の目的は達した訳だし、それくらいは寛容にならねば」。

「は?」と綾部が訝しんだその時、仙蔵が合図の花火を天に打ち上げる。すると、南の丘から別の新しい軍勢が現れ、B城の部隊に襲いかかる。「あれはD城の旗!」「そうか、やつらB城も狙っていたのか!」とビックリしている滝と久々知。

「という訳だ。間諜は一人ではないのだよ」と得意げな仙蔵。呆れている綾部。「はあ。せっかく先輩を出し抜いたと思ったのに」「まあ一勝一敗というところだな。……さて、私は帰る。おまえも頑張って離脱するように」と言うなり、煙玉を投げて姿をくらます仙蔵。「やっべ」B城本陣に突撃してきたD城の部隊に巻き込まれながら離脱する綾部。

バトル・オールオーバー。B城はACDの三つの城にフルボッコにされ滅亡。みんなで仲良くB城の旧領を分割していただくことに。「終わった……疲れた……」「な、何がどうなっているのだあ?」げっそりしている滝と、何のことかサッパリ分かっていない久々知。

後日。峠の茶屋で団子を食べながら、滝は綾部に事の詳細を問いただす。

要約すると、「就職していないというのは嘘で、ずっとフリーの忍者をやっていた。数年前からC城に長期契約で雇われたので、ダメ忍者のフリをしながらB城の獲物がかかるのを待っていた。立花先輩が出てきたのは誤算だったが、結果的には上手くいった」という話。

「じゃあタカ丸さん相手にモジモジしてたのとか、久々知先輩に嫉妬してるみたいだったのとか、アレは一体どういうことなんだ?」「タカ丸さんは昔からどう対応して良いか分かんなくて……久々知先輩の方は、A城と繋がってると思われたまずいと思ったのと、あと単純に正規雇用でぬくぬく忍者してるあの人にムカついたから」「あっそ……」「滝夜叉丸が誤解して挙動不審になってるのは面白かったよ」「じゃかあしい!」、云々。

おわり。