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四谷 由里加
四谷 由里加
novelistID. 31889
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世界は何度でも立ちはだかる

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嗚呼、神様…。

僕…もう、色んな意味で挫けてしまいそうです。






「ちょっと、もー!しっつこいなぁ!いいかげんにしなよシズちゃん!」
「うっせー!待ちやがれノミムシ!!」

僕もね、色々考えましたよ。えぇ、色々!考えました!時間はたっぷりあったしね!
流石に幼い頃からこのふたりを知り合わせておけば、情とかがわいて………くる事はなくても、未来がちゃんと変わってくれるんじゃないかと思ってね。色々画策して、この二人が僕の家の近所に住むように手を回した。
まず、ふたりの親御さんと仲良くなって、彼らを幼馴染と呼ぶ関係にしてみたんですよ。

―――なのに。


どうして、こうなった。


(この二人はきっと遺伝子もしくは魂魄レベルで嫌いあってるんだ…これはもう止めようがない。僕が何をしたってきっとこの状態なんだよ、うん。しょうがないんだよ。)
きっと今僕は、死んだ魚のような目をしているに違いない。

「だーかーらぁー!オレ今、シズちゃんにかまってるヒマなんてないんだってば!」
「みかどさんの所へは行かせない!」
「クッソ…!もー…!ついてくんなバケモノ!」
「いざやてめぇええええ!!ブッコロス!!」

ちなみに、ここは公園である。戦争コンビが来た事により、周りに同年代の子供はどこか他の場所に避難したようだ。(手綱を握っていられなくて申し訳ない。)
そんな場所で行われているのは、いつぞやの誰かさん達を彷彿とさせるような遣り取りと鬼ごっこ。
まぁ勿論、それよりはまだ随分可愛げがある。なんてったって武器は飛んでいないし、振り回されもしていないのだ。(この辺りは、僕の教育の賜物であると言わざるを得ない。)(将来的にどうなるかはわからないけれども!)

とにもかくにも。
空しく乾いた笑みを顔に張り付けて、全然微笑ましくない2人の子供の喧嘩を、ベンチに座って、黙って見守った。
そしたら、臨也くん(なんかこの言い方も慣れちゃったなぁ前の世界では“臨也さん”だったのに)が一瞬、何かに気を取られた隙に、静雄くん(前の世界では…以下同文)の攻撃が手元を掠めてしまったようで。何かを持っていたらしい臨也くんの手からそれが落ちて、彼がそれを拾うよりも前に、静雄くんの足が―――…。

「っ!あぶな…っ…!」
「あぁっ?」



ぐしゃ…っ。

…そんな音を、僕らは確かに聞いたような気がした。