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こらぼでほすと 拉致3

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どうにかクリスマスウィークは、無事に終った。毎年のことながら、女性陣のストレス発散というのは派手の一言に尽きる。ガンガン飲んで食べて騒いで、さらに気功波を浴びて、さらなる年末スケジュールに突進していくのだ。それに付き合うホストのほうもハイテンションでおもてなしすることになるから、いつもより疲れる。クリスマスの翌日からは、お客様も疎らになって年末年始の休みまで、そのままの流れだ。店仕舞いは二十七日で、この日は打ち上げの慰労会になるので、身内だけの宴会になる。トダカと沙・猪夫夫は、店のクリーンサービスやら帳簿の整理やらで二十八日まで出勤になるが、あとは、打ち上げで終了だ。
「三十日に別荘に集合、準備とミーティングをやって、作業開始は大晦日の午後からで、みんなに手伝って貰うのは二日まで。最終は僕とアスランが三日で終る予定だから、四日は初詣。それ以降はフリーだけど、別荘で凧揚げやろうかなーって思うから時間がある人は、そのまま滞在してね。」
 二十六日に、お客様が全員お帰りになってから、キラが作業の予定を伝える。明日は打ち上げで、ニールも来るから、出勤していない今日に、それらの打ち合わせをしている。
「今年は、ラクスが大晦日からニールを拉致するから、俺たちの動きはバレないようになっている。シン、レイ、もし、何か手伝いをするなら、それまでにやっておいてくれ。」
 MS組が全員不在というのは、バレるとニールも気付くから、そこいらは知らせない方向だ。アスランは、行動がバレそうなところに注意をする。
「寺の大掃除の手伝いぐらいだと思うから、なんとかなると思うけど。ねーさん、うちには帰らないのか? 本人、里帰りするつもりだったぜ? アスラン。」
「里帰りはしてもらうけど、大晦日にラクス様が迎えに来ることになっているんだ。短時間なら、おまえたちも自分の部屋の掃除をしているということで誤魔化せる。」
 トダカも一晩くらいは・・・、と、歌姫様に頼んだので、三十日から里帰りする予定だ。その日に寺の大掃除の手伝いにトダカとその親衛隊が出向いて、拉致してくる手筈だ。
「フェルトがギリギリに降りてくるから、そっちのお迎えもあるし・・・えと、フェルトは七日に帰るよ。」
 ニールへのクリスマスカードが暗号通信で届いて、ようやく降下予定が判明した。ギリギリ三十一日に降りてくる。桃色子猫も本宅へ拉致の予定だ。
「十日もいないのか。忙しいなあ。」
「しょうがないよ。あと、刹那が帰ってくるのも、それぐらいだと思う。」
 紅の提案を、キラは、そのまんま使用した。すると、すぐに連絡が入って、年末までには戻ると連絡が入ったのだ。
「フェルトと刹那がバッティングするのは大丈夫なんですか? キラさん。」
「問題はないよ、レイ。フェルトじゃ刹那を引き戻せるとは思えないしね。」
 そろそろ組織から帰還命令が黒子猫にも出ているのだが、黒子猫はギリギリまで世界探訪の旅を続けるつもりらしく、それに応じていない。紫子猫が降りてくるなら、逢わせるのはマズイが、桃色子猫なら大丈夫だろう、と、予想している。
「四日まで、俺、フェルトと出かけたりしておく。外へも出たいだろうからさ。」
「うん、ごくーお願い。僕らも作業が終ったら合流するから。」
「三蔵さん、今回はニールは五日あたりまで、そちらには戻れないと思います。よろしいですか? 」
「今年もそうだったから問題はない。」
「アスラン、寺の補給は僕のほうでやっておきますから心配しないでください。」
 いろいろと打ち合わせして、年末年始のスケジュールの確認は終った。これが終れば、来年は準備の手配だけだから、さほど忙しくない予定だ。シンとレイがアカデミーを休学するというので、春頃に宇宙の補給場所への物資移送の手配やらなんやらで、一時、プラントへ遠征してもらう予定になっている。今のところ、店は休業する予定は無い。来年の後半辺りからが微妙だが、そこまでは通常営業の予定だ。
「フェルトに、セキュリティーのことは教えておくから、ティエリアにも伝わる。これで、生体端末からのアクセスは阻止できる。」
「しかし、あんだけうじゃらうじゃらといやがると、組織内部にも侵入されちまわないか? 」
 ヴェーダの生体端末は、ヴェーダに潜んで活動している個体だけではない。ヴェーダの目として、世界各地に散らばっている。その数は、キラでも把握できないほどだ。ハイネの指摘に、キラもうーん、と、唸る。さすがに、そこまでチェックはできない。
「それは組織のほうの問題だ。俺たちが関わるとこじゃないぞ、ハイネ。侵入されてデータを抜き取られても気付かないっていうなら、あっちの責任だ。」
「もちろん、そうだけど、うちとの関わりがバレると厄介だぞ、虎さん。」
「それはない。キラはヴェーダとのリンクはしているが、組織と直接にリンクはしていないし、証拠はない。それは、俺が保証する。」
 ハイネの心配は、アスランが否定した。組織との連絡も、直接ではない。ターミナルをいくつか介した方法だから、直接、組織と『吉祥富貴』を結びつける証拠はないからだ。
「お客様のほうも、今のところは新規はないからな。こちらも問題はないだろう。」
 鷹が、そう付け足す。基本的に、『吉祥富貴』は会員制で、お客様になるためには審査がある。古くからの知り合いや、その知り合いばかりで、新規は基本的にいないし、お客様のゲストとして来る客も、一度か二度だから、それほど、店に接触するわけではない。そこいらは、きっちりとチェックされている。
「ハイネ、アフリカンタワーのデータだが、新規のMAとMSのデータが増えていたね。あれ、うちのほうにも流してくれるかい? 」
「了解、トダカさん。それ、どこへ流しておけばいい? 」
「キサカーズラヴのアドレスを教えるよ。あちらでチェックさせておく。」
 オーヴ本国には、ウヅミーズラヴという親衛隊から派生したウヅミーズラヴ一桁会員たち各人の親衛隊が存在する。そちらは、こういう裏作業を担っているので、トダカも、そちらへ新規データを送りたいとのことだ。特にキサカーズラヴは、そういう諜報活動が担当である。
「とりあえず、こんなところか? 他に確認したいことはないな? 」
 だいたいの打ち合わせは完了したので、虎が閉める。まだ先は長い。その都度に、こういう打ち合わせをして、軌道修正したり追加作業のチェックをしたりすることになる。
「後は、ラボへ集合してやりますよ、虎さん。」
「アスラン、アイシャも手伝うから、そのつもりをしておいてくれ。」
「うちのかみさんも手伝うぞ。」
「ありがとうございます。人数的に厳しいので、是非、お願いします。」
 虎と鷹の奥方たちも、そちらの専門家だ。その手伝いには参戦してくれる。さすがに、MS組だけでは配置する箇所が多いから、ほぼ徹夜二日の予定だったから、多少、余裕が出来るとアスランも喜んだ。
「アスラン、別荘のほうに食事は、お正月チックなの用意してもらってね? 気分転換するには、そういうのが楽しいと思うんだ。」
「ああ、いろいろと食事は考えてくれているよ、キラ。」
作品名:こらぼでほすと 拉致3 作家名:篠義