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とあるアーチャーの銀河鉄道 第四章

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〜遠坂 凜の戦い〜

放課後に早速行動に移った。
あの「ヤト」という男の条件に「魔術で衛宮士郎を倒す事。」なのだ。私は学校に結界を張り二人だけの空間を作り上げそして、攻撃魔術で追い詰めていった。
初め階段で逃げようとした「衛宮士郎」も結界に阻まれ降りる事ができずにいた。そして予想道理教室に追い込んだ。後は頭上より攻撃魔法を降り注げば終わりだ。

「「ヤト」めそういうことだったか。」
「一緒に学校に行かないのか。」と聞いたとき「向こうに先生を用意しておいた。今日はそいつに任せてある。」と言ったのである。
すでに教室には、攻撃魔術が降り注ぎ必死に机に「強化魔術」を付加して防御していた。以前と違って直に発動したので驚いてはいるがそれどころではなかった。これだけの攻撃を受けていながら人が来ないのは「結界」というものだろう事は素人でもわかる。
そうなると、自分ひとりでこの局面を打開しなければならなかった。
「さて、どうしたものか。」
自分が意外に冷静なのに驚いた。そして考えていくうちに思い当たる魔術に行き着いた。
「お前と俺は同じ、魔術体質を持っている。」と「ヤト」は言っていた。なら「同じような物位作り出せるのではないか?」という結論にいたった。なら「干将・莫耶」程ではないがそれ相応の物を作り出せるのではないかと考えた。
幸い「武器」に関しては古今東西、神話にでてきた物はイメージとして持っていた。なら後は具現化だけである。
とにかく教室に張られた結界を破壊する威力を持つ剣と成ると数少なかったが、うまく具現化できるか心配だったが杞憂に終わった。
しかし、攻撃はやむけはいはなかった。
「やるしかない。」
一発勝負で具現化して見せた。
「ヴァジュラナーヤ」
インドの神が持つ最高級の武器である。
「いけ〜」
後は「結界」を破るため教室のドアに突進していった。

遠坂凜は、驚きの中にいた。
形勢でいけば自分が明らかに有利であったにもかかわらず、閉じ込めた筈の教室から強力な魔力が感じたのだ。
「うそ」
そう言わずにはいられなかった。今まで魔術らしい物も見せずただ逃げ回っていただけだったはずの人間にここまでの魔力があるはずがない。
もしあるのであれば、こちらがただでは済んでいなかったはずだ。
そして爆破されるように、結界が内側から破られドアが破壊された。
そして中から強大な力を持った「剣」を携えた彼が現れた。
「嘘。信じられない。」
あれはインドの上位神が持っている武器だ。
いつの間にその神と「契約」を交わしたのだろうか?
「契約」を交わすにしたって、一日そこらで「儀式」が完了するはずがなかったし、その神の「持ち物」を「現世」に召喚する事事態至難の業なのだ。どちらにしても、人間業ではなかった。
「いつの間にこんな、「力」を隠してたのよ。」
思わず叫んでしまった。
「いや隠してたわけじゃないんだけど、「結界」破れる武器を考えたらこれが最適だと思っただけです。」
その答えに凜は毒気が抜けた。
自分の手の内を簡単に明かしてしまう「ばか」はめったに居ない。
というか、少なくとも自分の知る限り「魔術師」にそんな軽率な事をする人間は居なかった。
こんな「ばか」に負けるわけにはいかない。
「ガント」
魔術弾を士郎に向け放ったが、強力な武器の魔力で軌道がそれてしまった。
そして、士郎は「ヴァジュラナーヤ」を構え凜に突進して行った。

〜幸せって?〜

時間のほうは少し遡る。
葛木宗一郎は律儀にも一応病院で、検診を受けてから居候先の、柳洞寺に向かったのだ。
そこで彼は目を疑った。
自分が階段を登ってきている時だった。
「よう。早かったな。」
「ヤト」と呼ばれた青年がそこに居たのだ。とっさに構えたが向こうから戦う気はないようだ。
「少し、見せたいものがあるのだが付き合ってもらえるか?」
「何を考えている?」
構えを解くことはできない。
相手の意図が読めないのだから当然だ。
「そう構えないでくれ。ただ、お前の「奥さん」について重要な事だから、お前にみてもらいたいだけだ。」
何を言っている「奥さん」など、私は未婚だ。「一応は…」
「嫌なら別に構わん。悪かったな。」
「待て。」
立ち去ろうとする青年を呼び止めてしまった。
「何か?」
「いや」
「「何故」呼び止めた?」自問自答してしまった。
あきらかに自分は動揺していた。
「俺に付いてくるのは自由だ。そしてたまたまお前の「奥さん」に付いての事を見せるかもしれんからな。」
「くそ」
何故か負けた気がした。
しかし、それ以上に「彼女の事」を気にしている自分に気が付いた。

〜「魔女」と呼ばれし者〜

私はこの鳥篭のような王宮の生活にうんざりしていた。
それはそうだろう。決まりきった息苦しくなるような「規則」だの「礼儀」だのを守らないといけないのだから。
それであれば、かつて「魔術修行」していた頃の方がつらかったとはいえ、とても過し易かったともいえた。
今は「王女」など言われているがいずれは、政略結婚の「駒」にされのも目に見えていた。
「こんな事なら、「魔術」の勉強をもっとしておくのだった。」
しかし、私に魔術を教える事のできる「師」は最早この国には存在しない。私の才能は、桁外れで逆に「教えを請いたい。」というものまで居たほどだ。それに危惧した父王が王宮に呼び戻したのだ。
それだけに、自分の周りには「自分と同等の者」が居ないのがこの鬱憤の原因の一つではあった。

しかし私と「同等な者」が現れた。
「アルゴーの船」に乗ってやってきた五十人の英雄達と「イアンソ」であった。初めて見る「自分と同等の者」魔術を使える者こそ居なかったが、心の振るえを止める事はできなかった。
「卵から孵った雛が、初めて見る動くものを親と錯覚する。」に等しかったのかもしれないが彼女の中で喜びに狂喜した。
「イアンソ」は、父王に「金羊毛」を要求したがそれを拒まれたのだ。しかも「金羊毛」を手放す条件は、それとても難題で神々でも難しいと思われる物だった。
そこで私は、決心した。
自分の人生は、自分で切り開こう。
「私をギリシャに連れて帰り、あなたの妻にしてくれるなら、金羊毛を手に入れる方法を教えましょう」
そう持ちかけたのだ。
「イアンソ」はその提案を了承した。
「ギリシャの王子と結婚するのだから、父王もとやかく言うまい。」
そんな軽い気持ちもあった。
結果「金羊毛」を手に入れるに成功し「アルゴーの船」で「ギリシャ」に帰ろうとした時だった。
私達を父王は許さず、弟を刺し向けてきたのだ。
弟を人質にとって父王の手を引かせるという方法もあった。
しかし、父王がそんな事で手を引くとは思えなかったし、「弟」は姉の贔屓目で見ても「王」たる器ではなかった。
血を分けたとはいえ「姉としての自分」を殺す以外「ギリシャ」に帰る事ができなかった。
「本当に良いのだな。」
「はい。私はギリシャの人間です。」
声が上擦っている事がわかった。そして弟の乗る快速船に向け魔術を使い父王に見せるように、弟の胸に剣を貫いて見せたのである。
「イアンソ、魔術でつかれましたから先に船室で休みます。」
そう言って甲板から船内に戻っていった。